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英語教育における演繹法と帰納法について考えてみた。今、期末テストの採点をしているが、演繹法と帰納法について次のような学生の答案があった。それを読みながら英語教育を考えてみたい。


演繹法とはルールをまず教え、そのルールを教え、そのルールを基本にして英文を産出してゆくという授業のあり方である。例えば、英語の授業で、「名詞の前に必ず冠詞が付きますよ」というルールを先に教えて、それに沿って、英文を書くように指導する。

それに対して、帰納法は、様々な多くの英文を見せて、原理原則を発見させる授業のあり方である。例えば、たくさんの英文、… a book …, … the chair… などの文を見せて、「あっ、どの文も名詞の前には必ず冠詞がついているなあ」と生徒に気づかせる。自ら原理を見つけさせて、それから英文を書かせるという方法である。

文法を教えるというのは一般的に演繹法である。演繹法で授業をすることは、とても教えやすい。一方の帰納法は時間がかかるし、教員がせっかく準備しても、生徒が原理を見つけならないということもありうる。ただ、発見学習というのはとても力になり、記憶にも残るし、自分で見つけたという喜びにもつながる。生徒の学びには帰納法がとても有効である。それには、教員がどう生徒に気づかせるかというアプローチがとても大切になってくる。


以上の様な答案だ。これで十分な答案だと思う。日本では伝統的に演繹法が好まれてきたが、西洋では帰納法的な授業が好まれてきた。現代の日本では、「発見学習」がよく謳われている。これは教員の準備が大変だろう。うまく教材を準備する必要がある。生徒がその教材に触れていくと、原理原則が自ずから見えてくるように上手に授業を配列しなければならない。配列をしても、ある生徒は直ぐに発見できるが、ある生徒は遅い、あるいは発見できないこともある。

「名詞の前にはかならず冠詞がつく」という法則でも、物質名詞や抽象名詞が出てきたり、複数形が現れたり、固有名詞や代名詞の話になったりすると、冠詞がつくという原則が見えにくくなる。ゼロ冠詞などという概念を生徒が帰納的に発見できるわけがない。であるから、そんな時には教員が用意する教材は、物質名詞、複数名、固有名詞などが出てこない、統制された内容の英文になるべきだ。その教材を見せて「冠詞+名詞」という法則を発見してもらう。そして、次の段階で物質名詞に関する発見学習を準備するということになる。いずれにせよ、帰納的な学習は教員にはかなりの負担となる。

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