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性格(Personality)

認知スタイル(Cognitive Style)とは、個人の知的側面に注目することであるが、言語学習においては、学習者の性格にも注目すべきである。なお、広義には、認知スタイルと情緒的感情の両者が相まって性格を構成すると考えられるが、ここでは狭義に、性格とは情緒的特徴であると考えていくことにする。

外向性と内向性(Extroversion, Introversion)

人間の性格には外向性と内向性がある。従来は、外向的な性格をもっている者の方が言語学習に成功する可能が高いと言われてきた。たとえば、英会話の授業では、外向的な性格の人間は、伸びが早いと言われている。それは、その人の自信、 情緒の安定度そして冒険心などの特性が語学学習に効果的に作用していると考えられる。Communicative abilityが高いのは当然だと言われてきた。

しかし性格的特質は、年齢や経験によっても変化してくる。ある程度の人生経験を積んだ人間は、外向性へと、少なくとも表面的には、性格が変わってくる。

さらには、文化による差異も考えられる。日本では内向型の学習者の方が、readingやgrammarばかりでなく発音も、より正確で、oral interviewの評価でも、外向型の学習者との差は発見できなかったという報告がある。この性格的特性も学習の成功を決定的に左右するほど強力ではない。

自負心

肯定的な自己評価が、外国語学習の成功要因であることも、しばしば指摘されている。自分をありのまま受け入れ、他人との言語交渉の中で自分を肯定的にとらえ、自分をはっきりと表現する能力は、英語学習には有効に影響する(もっとも母語で表現する場合も、自負心のある人間の方が上手に話す)。精神的負担の大きい外国語でのコミュニケ—シヨンでは、とりわけ、自己肯定・自負心があれば学習に好影響を与える。

外国語学習の成功と自己評価との相関 関係が発見されている。特に興味深いことは、自身の文化に誇りを持 ち、かつ外国の文化にも興味を抱いている学習者の方が、自国の文化や 生活様式よりも外国のそれを高く評価する学習者に比して、成功の可能 性が高いと指摘されている。外国語学習が学習者の自己像をおびやかすものではなく、それを拡大し成長を助けるものなのである。

感情移入(Empathy)

自己のわくを越えて、相手の立場に立って考えたり感じた りすることは「感情移入」と言われている。感情移入と言語学習、特に発音の正確さとの相関が高いことが 指摘されている。幼児期の言語発達の期間が、ちょうど母と子の間に感情移入が生ずる期間と合致することか ら、幼児期の温かく親密な人間関係の体験が、言語能力と感情移入を共に発達させるようである。

この考えが正しいとすれば、訛のない発音は、脳細胞の生理的要因に左 右されるよりむしろ、成長期にどのような人間関係を体験したかという心理的要因によるものとなる。

外国語の発音をすることは一種の不安感を感じるのである。しかし、感情移入の能力が高ければ、その不安惑を受け入れることができると考えられる。面白いことに、被験者に少量の アルコールを与えて警戒心をゆるめさせたら、発音が一時的に改良されたという実験の報告がある。

感情移入の能力の高さが、必ずしも、外国語学習の成功を約束するわけではない。しかし、感情移入の能力が低 ければ、語学学習にマイナスに作用することは間違いないようだ。自分たちのグループの文化に固執し、他の文化に排他的な姿勢を取る学習者は、語学学習に成功する可能性が低いことは間違いない。

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