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英語科教育法の授業で、Team Teaching という用語の説明を課してみた。レポートを読んでみて、学生の何人かの説明を例示してみる。それを読みながら、色々と考えてみたい。
担任とALTが一緒になって授業を作っていくこと。主導権は担任にあり、ALTはあくまでも補助的な立場にある。私が小学生の時は、ALTの先生が授業を進め、担任の先生は補助についていた。教室内の雰囲気や児童生徒の個性、能力、学習状況などは、担任の先生の方がよく知っているために、発表者の指名やグループ分けは担任の先生が行っていた。このように、学級の授業運営の部分は担任が行うのがよいと考える。一方、ALTは授業で扱う例文や物語を読んだり、動作の指示を出したりする(Classroom English のことか?)などの授業内容の部分はALTが行うのがよいと考える。担任とALTがよく話し合いをして、学級の実情に合わせて、どの役割を分担してゆくのが一番いいのか、その分担を見つけてゆくことが大切である。
ある学生は次のようなレポートを書いてきた。その後半の部分だけを紹介する。
ホームルームティーチャーが1年間の指導計画を作成して、ALTと相談しながら授業を一緒に進めてゆくことが求められる。課題としては、ALTは最長3年間までしか教えられないので、Team-Teaching のメンバーが直ぐに代わり、Team-Teaching の経験が積み重なっていかないこと、ALTの数が少ないので、毎回 Team-Teaching をすることはできないことなどが挙げられる。とにかく、 ホームルームティーチャーは主体となって、学習者に効果的な指導ができるように、ALT を活用すべきと考える。
ある学生はこれらとはまったく異なる視点から述べている。ALT と授業する学校との関わりから次のように分類をして説明をしている。
Team-Teaching は授業を、日本人教師、ALT, 生徒の三者が行う共同作業である。
(1)バーススクール型は、1年間、ALTが学校に滞在してそこの様々なクラスに行き授業をする。
(2)レギュラー訪問は、ある一定の頻度でALTが決められたクラス、学校を訪問する。
(3)ワンショット訪問は、年に数回、ALTがクラスや学校を訪問する。これは年間学習計画には入っておらず、特別活動になることが多く。遊びになってしまう可能性が高い。
いくつかレポートを読んでみると、小中高でALTを体験した学生がほとんどで、その自分の体験に基づいてレポートしている。日本人教員の姿を見ながら、教員たちの苦労が分かっているようである。この学生たちが教壇に立つときには、自分の教育方針がしっかりと確立されていること、その方針をALTに伝えるだけの英語力を身につけること、そして自分が中心となってチームを引っ張ってゆくことなどを頭に刻んでいってほしい。