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今日の英語科教育法の授業の時に、3名の学生に自分の考える理想の英語教師像を発表してもらった。

Mさんの考える理想の英語教師像

はじめはMさんの発表だ。Mさんは、英語教師には3つのポイントがあるという。一つは、地域と密着した題材を教材とすることができる教師が必要であると説いていた。例えば、長良川を題材にして、そこに生活する人々や自然を題材とすれば、学習者は身近な題材と感じて、学習意欲が高まるだろうとの主張だ。次は、暇を見つけては、子どもたちに絵本を読んであげるような教師である。適切な絵本をたくさん用意しておいて、その絵本の内容を砕いて、英語で教える。例えば、『はらぺこあおむし』などはこどもたちの気持ちをよくつかんだ内容なので、アピールする度合いが高い。さらには、日本の昔話などの英訳本ならば、子どもたちは内容を知っているので、これまた子どもたちは大喜びをするだろう、と述べていた。

三番目は、information gap を用いた授業である。これならば、ゲーム感覚となり子どもたちは授業にノリノリになるだろうとのことだ。

Mさんのこれらの説に対して、質問としては、英語の授業とは異国の文化や事物を教えるのではないか。長良川のような地元では授業に広がりがなくなるのではという質問が出た。Mさんからの回答としては両方に配慮して授業を進めるべきとのことであった。

Nさんの考える理想の英語教師像

次の発表者は、Nさんだ。Nさんは自分の中2の時の体験を出発点にして語ってくれた。それまで、英語が大好きな科目であった。しかし、中2の時の先生は、受験英語を意識した授業で、文法的な細かいことばかりを覚えさせた。また単語の書き取りをノートに何枚も書き取らせる授業で、それ以来英語の授業が嫌いになってしまった。

そんな授業だったので、自分には何で英語を勉強するか意義が分からなくなってしまった。Mさんはそんな経験を踏まえて、理想の英語教師像とは、学習者が自分で学びたいという気持ちにさせる授業を展開できることが教師だそうだ。つまり何で英語を勉強するのかが伝えられる先生だ。

そして、授業では、日本人と外国人(英語圏とは限らない)とが、実際にクラスで英語でやり取りできる風にしたいと考えている。なお、近年は日本に滞在する外国人の数が増えてくるので、授業も多国籍の子どもたちが集う授業になるので、現実性のある授業になっていく。

Kさんの考える理想の英語教師像

最後の発表者はKさんであった。Kさんは小学校の時の英語の授業は楽しかったそうである。クラスの中で、グループを組んで、その中で大いにコミュニケーションをした。まさしく、インタラクションの授業であった。しかし、中学生になってからは、コミュニケーションすること、たがいに対話することがなくなってきた。Kさんの理想の英語教師像は、自分が楽しかった小学校の英語の授業を再現できる人が理想の英語教師像である。

入試を意識しないで、ロールプレイー等を中心に皆で英語でコミュニケーションができる授業が理想的な授業とのことだ。

MさんとKさんは似たような問題意識を持っている。ともに、楽しかった英語の授業を経験したのだが、それが入試という重圧で途絶えてしまった。自分が英語教師となったときは、それらの楽しい授業を子どもたちに与えることのできる授業を与えたいと願っている。

まとめ

以上、3名の学生たちから、理想の教師像を語ってもらった。学生たちの肉声で理想像を聴けたのはとてもよかった。学生たちは、小中高とさまざまな英語の授業を経験してきたのであるが、あの先生のように教えたい、あるいは、あの先生のように教えては駄目だな、という印象を持っている。それらの印象が、自分がいざ教えるときになれば、影響するようだ。しっかりと思い出して、学べる点、学んではいけない点、取捨選択してほしい。

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