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スピーキング活動の指導

スピーキング活動は、大きく分けて二つに分けられる。それぞれに指導が異なってくる。モノローグ形式 とダイアローグ形式について見ていこう。

モノローグ形式(パブリック・スピーキング)のスピーキング活動

モノローグ形式は、通常1人の話し手が複数の聞き手に対して発話する活動である。public speaking であるとも考えられる。要は、1方向のスピーキング活動であるので、それに応じた指導法が必要になる。

スピーチ

まとまった内容を人前で話す活動である。(1)事前に原稿を書き、話す内容を暗唱したり、要点を書いたメモを準備する場合と、(2)原稿を準備せずに、自分の持ち駒を駆使して、即興で話す場合がある。(1)よりも、(2)の方が難易度は高くなる。どちらも、聴き手に訴えるために、声の抑揚、身振り、アイコンタクトなどを工夫する。

プレゼンテーション

聴き手に対して情報や提案などを分かりやすく提示して説明するスピーキング活動である。1人またはグループで行う。活動内容はスピーチと似ているが、プレゼンテーンョンでは相手に対する説明・説得という要素が強まる。そこでは、様々な資料を提示するために、学習者が調べた内容をまとめてスライドにしたり、PowerPointにしてプレゼンテーションをすることがある。

ダイアローグ形式(インタラクティヴ)のスピーキング活動

ダイアローグ形式では、2人以上の話し手がお互いに意味のやり取りをしながら進めていく。意味のやり取りの過程で、お互いに意味交渉を行うのである。

ロール・プレイ

学習者に役割を演じさせて、目標言語を現実に即した設定で使用する機会を与える活動である。例えば、マクドナルドでの注文の場面を設定して、一人は店員役を担い、もう一人は顧客役を担うのである。英語で書かれたメニューを見ながら即興で注文するとよい。

教科書の英文を利用して暗記した対話を用いる活動や、暗記した対話文にオリジナルの会話を付け加える活動がある。

インフォメーション・ギャップ活動

通常のコミュニケーションの場面では、話し手と聴き手の間に情報の差があり、その差を埋めるために行う活動である。そのような場面を設定して、ペアあるいはインタビュー活動を行う。例えば、お互いのスケジュールが分からない状況を設定し、空いている日時を聞きあうことで、会う曰を決めるなどの活動がある。その他、ゲームとして、Twenty Questions, Three Hints などのゲームがある。

タスク活動

話し手と聴き手の間にインフォメーション・ギャップがある設定において、ある課題(タスク)について結論を出したり、解決策を見つけるために、 コミュニケーションを行う活動がある。教員から場面設定と解決すべきタスクを与えられ、それを学習者自身が役割と展開を考えていく活動がある。例えば、500円しか持ってなくて、家族4名分の夕食の献立を考えて買い物をするタスクなどである。

スキット、ドラマ

スキット(寸劇)は、実際の言語使用場面に即して、学習者の創作により演じさせる活動である。教科書で学習した英語表現を活用して、表現力を磨いたり、即興性の訓練をすることができる。ー方、ドラマ(劇)はスキッ卜よりは長く、台本を書いて演じる活動であり、準備に時間が必要である。台本づくり、役割分担、音声面および表現の練習、上演という手順を踏む。高校の部活で英語部などで演劇を行うときに最適の活動である。

ディべー卜

ある議題に対して肯定側と否定側に分かれて、論点を立証し聴衆を説得する対立型の議論である。司会者の指示に従って討議を進め、聴衆がそれぞれの側の内容や説得力を評価し、勝敗を決める。事前にテーマについて 準備を行うことにより、表現能力や発表能力だけでなく、分析力、論理力、批判的な思考力も育成できる。

ディスカッション

あるテーマやトピックに対して、意見交換や方針決定のために行われる活動である。例えば、教科書で扱ったテキストの内容について、グループやペアで話し合うことができる。3人以上のグループ・ディスカッションの場合は、リーダーを決めて、リーダーは、寡黙な人にも発言を促したりして、全員が自分の意見を話す機会が確保できる。

(参考:『行動志向の英語科教育の基礎と実践』(三修社))

 

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