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学生への問題提示

学生に対して英語科教育法Ⅰの試験問題を提示した。

(1)World Englishes とは何か、Inner Circle, Outer Circle, Expanding Circle という語を含めながら答えなさい。

(2)CEFR はどのような言語教育観に基づいて作られていますか。複言語主義という語を含めながら答えなさい。

(3)学習指導要領はなぜ必要か答えなさい。(あるいは、不要と考えるならば、その理由を答えなさい。)

(4)英語教授法として、文法訳読法の持つメリットとデメリットには、どのような点が挙げられるか答えなさい。

(5)英語教師の条件として、大切と思われることを箇条書きにして挙げなさい。

(6)小学校の高学年において、あなたの考える理想のリスニング授業とはどのような授業か答えなさい。

(7)Information gap とは何か答えなさい。

(8)高校生のリーディングの授業で、スキミングskimmingとスキャニングscanning をどのように活用するか答えなさい。

(9)中学校でおこなう、理想的なスピーキング授業とはどのような授業なのか答えなさい。

(10)小学校の中学年において、どのような語彙から教えてゆきますか。その場合スペルも教えますか。あなたの考えを述べなさい。

今日の授業はその問題に対して一題を選んで思うところを発表させた。学生は、これらの発表者の学生との質疑応答を通して、問題に対しての考察を深めてもらう。合計で8名の学生が自分の意見を述べた。取り上げた題目に関しては重複もある。そして、試験日には、それらの発表を参考に、解答用紙に自分の考えをまとめてもらう予定である。以下、その内容を報告する。

Kさんは(6)理想のリスニング授業についての考えを述べた。

小学生に対しては絵本の読み聞かせが重要であると述べている。聴いて分かることが大切である。その場合は絵本が題材として適切である。優れた絵本の例として、作家Mem Fox を挙げている。彼女の絵本と朗読をYouTube から紹介する。

その他にもいろいろと魅力的な絵本があるので、それらを大々的に活用しながら小学生への絵本を活用するとよい。なお、Kさんは、自分の音声で子どもたちに言い聞かせると言っているが、このようなYouTube を活用しながら、子どもに読み聞かせをすると効果的であろう。

Yさんは(5)理想の英語教師の条件を述べた。

理想の英語教師像として、3つの条件を述べた。(1)教師の英語力と海外の文化や慣習に対する造詣が深いことだ。これらに関する生徒の質問に対して的確に答えられるようになることだ。(2)生徒との間に信頼関係を築くことだ。一方通行にならないで、生徒からのフィードバックもあるような信頼関係ができることだ。(3)生徒の学力不足は、生徒自身の問題でもあるが、自分の授業する力の不足も原因であると考えることだ。そのように謙虚である姿勢が必要だ。

このような条件を備えた人を理想の英語教師と考えるとYさんは述べた。

EMさんは(4)文法訳読法について述べた。

文法訳読法のメリットとして、本が読めるようになることだ。さらに世俗的なことになるが、入試などでは reading の配点が高いので文法ができれば有利である。しかし、今後はセンター試験ではspeaking の能力も試されるので、必ずしも入試に有利とは言えなくなると言っていた。ただ、文法訳読法で日本語への鋭い感覚は養われる。

デメリットとして、話す力が伸びない。英文ー和文の役の繰り返しでは、細かい文法を中心に勉強することになる。その時は生徒のモチベーションが高まらない。

Mさんは(5)理想の英語教師の条件を述べた。

Mさんは、Yさんと同じく理想の英語教師の条件を述べた。(1)豊富な英語力と英語圏の文化に対する造詣の持ち主であること、(2)コミュニケーション力があって、コミュニケーションを積極的に取ろうとする態度の持ち主であることだ。

授業では、英語をたくさん用いる。Classroom English をもちいることである。教師がネイティブであればいいのだが、日本人の先生でも、生徒はペアになって互いに英語で話をさせるような雰囲気作りが上手な人が望ましい。

Eさんは(9)中学校でおこなう、理想的なスピーキング授業について語った。

スピーキングの段階として次の4段階を考える。(1)音声面の訓練であり、イントネーション、息継ぎ、文の区切りなども含めて行う。(2)interactive の訓練であり、ペアになって 自由の語りあう。ただ、形式としては、その時間帯に there is 構文を習ったのであれば、その構文を使いながら、自由に会話してゆく。(3)会話のstrategy の訓練として、例えば、店員と顧客の会話をする。ある程度は前時間に教えておくが、基本的にはその場での即興で会話をすることが求められる。臨機応変に会話するのだ。(4)Speech は人前で話す訓練であり、最も高度な訓練である。将来の夢というようなタイトルでスピーチをするといいだろう。

Sさんは(1)World Englishes について語った。

SさんはEnglish が複数形であることを不思議に思った。しかし、調べてゆくと複数形になっている理由が分かった。世界中に英語が広まって、いわゆる Inner Circle, Outer Circle, Expanding Circle と各地に英語の層ができあがっている。Inner Circle に属するアメリカでさえも、14%の人は英語を家庭では話さない(特にヒスパニック系)、さらにはオーストラリアでも多民族国家であり、英語を全員が話すとは限らないそうだ。

その事実を受けて、日本でも様々な英語への関心をより深めた方がよい。

Nさんは (4)文法訳読法について述べた。

メリットとして、訳読法は初期の段階で英語が分からない子どもたちが本当に理解したかを確かめるに役立つ方法だと述べた。さらに、この方法は長年使われてきた最も多く普及して慣例化しているという意味では使いやすい。ただ、デメリットとして、一語一語と逐語訳してゆくので、英語によるインプットとアウトプットする時間がなくなってしまうと述べている。

なお、最初の点に関して、言語習得に関しては、listening – speaking – reading – writing が望ましいとではとの質問が出たが、訳読法をも併用しての方法が望ましいとN さんは答えた。

Sさんは(5)理想の英語教師の条件を述べた。

英語の発音にすぐれ、学力、コミュニケーション力に富んでいて、多様性に対する寛容さを持つことが大切だと述べていた。

生徒が関心を持つような題材を見つけ出してくる能力が大切だと述べている。例えば、海外で流行している音楽の歌詞とか、ジブリ映画の英訳とかが候補としてあげられる。とにかく、いろいろと試して生徒の関心を持つことを見つける必要がある。


以上、学生たちの発表を簡単にまとめてみた。これを読んで自分の意見を深めて試験当日は自分の意見を示してほしい。

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