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ピアジェの提唱した子どもの4つの発達段階は以下の通りである。

①感覚運動期(0~2歳)
②前操作期(2~7歳)
③具体的操作期(7~12歳)
④形式的操作期(12歳以降)

現在は、小学校への英語教育が進められ、現在は小学校の3,4年生は外国語活動、5,6年生は教科としての英語が必修となりつつある。これらの年齢の子どもたちはピアジェが唱える「具体的操作期」に該当する。その特徴として以下のような点が挙げられる。

アニミズムの克服:
アニミズム的な思考から離脱してゆく。つまり、生命があるものと生命がないものを区別できるようになる。よって、英語の童話などで動物が主人公、あるいは物を擬人化したストーリーは、前操作期の子どもたちほど関心を示さない。あるときは幼稚であるとはねのけることもある。小学校の高学年になるとその傾向が強まる。よって、そのような題材はあまり頻繁に提供しない方がよい。

脱中心化:この時期の重要な特徴は脱中心化である。これは、自己中心性からの脱却で、多様な視点の存在に気づき、他者の視点からも対象を認知できるようになる。Information Gap を利用した活動で、互いに自分の地図を見て、相手の立っているところを推察して、誘導して目的地まで英語で案内する活動がある。これらは、他者の視点、相手がどこにいて、どのように周りの情景が見えているかということを推察できないと難しい活動である。これらの活動は、小学校の高学年から可能になる。

抽象的な概念の操作が不得意:具体的操作期の子どもには、抽象的概念を用いた推論は不得意である。仮定法などは難しい。「朝2時間早く学校に来ることができれば何をするか」などを英語で問いかけたり、「生きる意味は何か」などをディスカッションさせるのは高学年でも難しい。

抽象的な概念の分類が不得意: Twenty Questions という英語ゲームは高学年では可能である。これはYES/NOで答える質問を20回行い、回答者の頭の中にある答えを当てるゲームである。この時期の終わり頃から概念の分類が可能になる。加法的分類:生物=動物+植物や乗法的分類:「丸い形」かつ「色は黒」ができるようになる。それで、質問者は、「生き物ですか」「人間ですか」「生きている人ですか」「男ですか」という風に対象を絞ってゆくことができる。しかし、これらは具体的なものの分類であり、抽象的なものの分類は難しいので、Twenty Questions のゲームの時も頭の中に思い浮かべるのは具体物にするように指導するべきだ。

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