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岐阜市は教育特区として、かなり以前より小学校での英語教育を導入していた。取りかかりが早かったので小学校での英語教育に関するノウハウが蓄積されている。そんなノウハウの吸収を兼ねて、学生を引率して岐阜市内のA小学校の授業の見学を行った。
学生は4名だが、小学校の方からは、一つの教室に入る学生の数は2名だけにしてほしいと要望を受けていた。あまり見学の学生の数が多いと、児童が萎縮して授業がやりづらくなるそうだ。
教員は2名で二組に分かれた。私は二人の学生を引率して、最初は1年生の授業、次は5年生の授業を見ることになった。1年生の授業では、クラスサイズは34名ほどだ。フィリピン人のALTの先生が、野菜と果物の名前を教えていた。
野菜が書いた札を黒板に貼ってゆく。それを児童は大声で言う。pumpkin, potato, Japanese radish, green onion, spinach などである。先生は、次に、その中から札を一枚隠す。そして、児童にどの札を隠したのか当てさせる。児童は、小学1年生だと、みんな必死で手をあげる。この子たちが高学年になると恥ずかしさを覚えてあまり挙手をしなくなるのだが、低学年の児童たちが授業に全身で関与している姿を見ると楽しくなってくる。子供達は記憶力がいいので、何を隠したのか、容易に当てることができた。

さて、次は子供達が自ら前に立って自分が持っているカードをみんなに当てさせる活動だ。児童は、ヒントを言う。This is long and white. などと言うと、子供達は一斉に手を上げる。指名すると、It’s a radish. とか、Japanese radish とか叫ぶ。楽しい授業風景だった。
さて、次の時間は5年生の授業を見た。クラスサイズは45名ほどで1年生のグラスよりは大多数だ。アメリカ人のALTの先生だった。ここでは、We Can I のテキストをみんなに配ってそれに基づいて授業をしていた。
can を使った例文を作ってみんなで斉唱していた。スポーツをする場合は、play basketball, play tennis とplayという動詞を使うが、日本の武道は do judo, do kendo のように do を用いることを説明していた。
次は、クラスの机を動かして、それぞれ4~5名のグループを作る。グループ内で話し合って、You can ….の例文を作るのだ。You can play the violin. You can play volleyball. などの例文を作る。
そして、最後は全員が動き回り、自分の作った例文の疑問形で人々に質問していた。私のところにはも何人かの児童が来て、Can you play the piano? 私は No, I cannot. と答える。次の児童は、Can you play basketball? 私は No, I cannot. と答える。とにかく、私は No と答えることが多くて、自分がいかにも不器用であるかを思い知った日であった。
最後は当番の人の号令で起立してALTと担任の先生に英語で挨拶をしていた。