学習指導要領とカリキュラム
学習指導要領は国家が定めるカリキュラム(national curriculum)である。何を教えるのか、それらをどのような順番で教えるのか、どのように教えるのか、どのように評価するかなどがカリキュラムとして定められている。
学習指導要領
日本の公教育における英語教育力リキュラムは、文部科学省が定める学習指導要領による。学習指導要領は、小・中・高の各科目における目標と教えるべき内容を示す基準である。とりわけ小学校と中学校は義務教育であり、各学校とも学習指導要領に従うことによって、全国的に一定の教育水準を確保することが可能になる。各学校は学習指導要領を最低基準として、その目標を実現するために学校の教育理念を反映しながら、教育内容や授業時数、単位数などからなる教育課程を定めてゆく。
学習指導要領を理解する重要性
学習指導要領の目標と内容を十分に理解することは、現在の日本の学校教育においてきわめて重要である。教員の行うべきことしては、学習指導要領の内容のみならず、担当する生徒の英語力やニーズ(学習動機など)を理解することである。在籍する生徒の実態に基づいて長期的な年間指導計画をたてて、そこでは1年間にわたる学習目標の設定、指導内容、指導順序、学習形態や活動などの指導方法、指導の時間配当および使用する補助教材などを考えてゆく。
学習指導要領と教育課程審議会
学習指導要領は、教育課程審議会の答申に示された方針に基づいて、 文部科学省が依頼した「協力者会議」の協力を得て作成し、最終的に文部科学大臣名で告示される。この会議は、英語教育に携わる大学・高校・中学の教員、指導主事などから構成されていて、主として教科調査官を窓口とする文部科学省側と共同でいくつかの会議を経て最終案に達する。新しい学習指導要領は2017,2018年に改訂されて、小学校は2020年から全面実施、中学校は2021年から全面実施、高校は2022年から年次進行の予定である。

なお、学生に学習指導要領の必要性について試験で質問した。その解答を参考までに見ていただきたい。