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クリルとは?

CLILは、Content and Language Integrated Learningの略称である。これは「内容言語統合型学習」あるいは「クリル」と日本語で呼ばれている。なお、この用語自体は、1994年にDavid Marsh(オーストラリア生まれで、現在はフィンランド在住)が作った。

教科科目やテーマの内容(content)の学習と外国語(language)の学習を組み合わせた学習(指導)の総称である。それは、目標言語を通して、何かのテーマや教科科目(地理や化学などの教科や、時事問題や異文化理解など)を学ぶ学習形態である。イマージョン教育が源泉にあるが、これとは一応異なる理念である。

内容(content)の理解に重きを置くと同時に、学習者の思考や学習スキル(cognition)に焦点を当てる。それによって、学習者のコミュニケーション能力(communication)の育成や、学習者や相手の文化する力が高まる。

EUとCEFRの教育理念

欧州連合(EU)の外国語教育ではこの「内容言語統合型学習」(クリル)が広く取り入れられている。これはCEFRの教育理念にも寄っている。各教科を目標言語で学ぶことにより、教科に関する知識・語学力・思考力・コミュニケーション力を統合して育成することができる。そのために、クリル型学習は、画期的な学習法とされている。ここでは、目標言語の習得が目的となるのではなくて、教科を学習する内に自然と習得されるのである。

CLILでは言語の形式や語彙は難易度により段階的に教えられるのではなく、内容に合わせて柔軟に扱われる。また、学習者の認知思考力の発達を考慮して、暗記、理解などの低次な思考力を育成する活動から応用、分析、評価、創造的思考などより高次な思考力を要する活動へと移行する。

このCLIL型学習では4Cと呼ばれるCで始まる4つの要素(Content, Communication, Cognition, Culture)を組み合わせて、質の高い教材・授業を作りだす。

評価

評価の対象は、どの程度内容を理解しているかであり、 言語の習得は評価対象にしない。

その他

使用言語は必ずしも目標言語だけに限定されず、理解を深めるために母語の使用も認められる。さらに、クリルではペアワークやグループ活動が多く取り入れられ、プロジェクト型学習などによる協同学習が基本である。また演劇や絵画など創造性の高いタスクにより評価が行われるなど、目標言語でコミュニケーションを取りながら、学習者の協調性と自律性も育成されることが期待される。

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