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今日は学生による教授法の発表であった。はじめはIさんによるGDMの発表であった。その内容は以下の通りであった。
GDMとはGraded Direct Method (段階的直接法)である。アメリカのリチャードとギブソンによって開発された教授法である。さらに、イギリス人心理学者であるオグデンが考案した850語をBasic English を使用している。
なお、これは私見だが、Basic English とは、850語に制限した簡易英語で、これでほとんどすべてのことが言えるのである。ただ、多くの名詞はBasic English で遠回りしたまわりくどい言い方になるので、返って分かりづらくなる。bicycle を表すのに、前後に輪がついて人の力で進む乗り物[ A bicycle is a small, human powered land vehicle with a seat, two wheels, two pedals, and a metal chain. ]のようになる。であるから、この方法は、これは自分の知っている基本語彙を用いて複雑な事象や概念を表す訓練をするための方便であると考えるべきであろう。
母語を使わず(直接的に)、場面(situation)にむすびつけて、文(sentence)を学習する。文がすべて具体的な場面と結びつけて提示されるので、SEN-SITと呼ばれている。
Gradedと呼ばれるのは、できるだけ要素が少なくて、明快なSEN-SITから行ってゆくのである。
つぎは、JさんによるTPRの説明であった。説明と言うよりも、実際に授業をやってみた。
生徒役の教室の学生に向けて、4つの絵を見せる。それらは、ride a bicycle, open the window, take a picture, play the guitar を描いた絵を見せる。それを口で発音させたり、動作で演技させたり、と繰り返して頭にたたき込むのである。
音を聞いてから、次の段階は模倣して音を発するのが通常の順番だが、音から動作へ結びつけるという点がユニークである。動作をするには理解していなければならない。
授業の時には、最初から最後までTPRをするのは飽きが来る。授業の初めとか、皆が眠そうだなという時に行うのも気分転換になる。
なお、10回ぐらいおこなったら、それまでに出てきた命令文を表にして、読んでみたり書いてみたりで、他の4技能に結びつけるようにするのも有益である。