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この日は、NさんによるNatural Approach の説明であった。この教授法はKrashen の提唱したものであり、いまだに日本の英語教育界に大きな影響を与えている。さて、Nさんは以下のようなプリントを配付して説明をした。なお、プリントは手書きであり、手書きの味わいが出て、ほのぼのとした雰囲気をかもし出している。

プリント表
プリント裏

このプリントに関して私は若干補った。プリントの冒頭に「母国語」という表現が出てくる。これは「母語」とするほうが教育界では一般的である。ただ、この「母語」という言い方は言語学、教育界のみに留まっていて、世間一般にはまだ認知されていないようだ。しかし、英語教育法の授業紹介では、是非とも、この表現を用いたいただきたい。

習得学習仮説(The Acquisition-Learning Hypothesis)はクラッシェンの理論を理解する上で根本に位置する仮説である。習得は無意識に言語を覚えてゆく。学習は意識的に言語を学んでゆく。この両者が異なるのである。

Nさんは、順次、習得学習仮説、自然習得順序仮説、モニター仮説、インプット仮説、上位フィルター仮説と説明をしていった。

Nさんの発表

聴き手の学生からの質問では、「情意フィルターが低いと習得がスムーズに行くのはどうしてか」という質問があった。これは、要は学習にストレスを書けない方が語学では習得が容易だと言うことだと思う。常に、教師からの叱責を恐れながらの授業では、覚えも悪いだ。

また、前回オーディオリンガルアプローチを発表した学生から、自分の紹介した教授法とNatural Approachの教授法は似ているとの指摘があった。これは結果としては同じであったとしても、根本的な考えは異なると思う。要は、前者は文法訳読法の否定から生まれた教授法であるが、後者は自然の覚え方、第一言語の覚え方からヒントを得て提示した教授法なので、基本的な考え方は異なるのである。

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