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今日は3人の学生からの発表があった。はじめは、「教室運営」であり、次は「英語の歌」であり、最後は「英語の発音」であった。
Iさんは教室運営の仕方について発表をした。教室運営というと難しく感じるが、要は教師がコントロールできる点とコントロールできない点を見極めて、コントロールできる点は積極的に関与することだ。授業内容・進め方・速度は当然、教師がコントロールできる。もちろん、テキストや学習指導要領から大きく逸脱することは避けなければならないが。
ここで、児童達がうるさくなって教室内が授業するような雰囲気でなくなったときの教師の態度の説明があった。IさんはSilent カードを用意していた。子どもたちとの間の約束事として、Silent Card を見せたらなら、静かにする、と決めてある。そして、みんなに騒いでもらい、Iさんはおもむろにカードを取り出してみんなに見せる。すると、みんなは静かになった。その他には、指を一本示すと、Clap と一回手を叩く。指二本ならば、Clap, Clap と二回叩く。そんな風にして、数回、数字を示して手をその回数叩かせると子どもたちは次第に静かになる。子どもたちを静かにさせるために、いくつかの工夫をすること。その工夫のレパートリーを用意しておくことが必要であることをIさんは述べていた。
次は、Sさんによる英語の歌を使った授業についての発表であった。この日はSさんは英語の歌として、Happy Birthday To You をCDで聞かせた。3連目のHappy Birthday Dear ( )のところに、その月に誕生日があるひとの名前を選んだ。このときは、「みいちゃん」が誕生日にちかいとのことで、空欄には「みいちゃん」と入れて歌った。一曲だけでは物足りないので、ロンドン橋落ちた(London Bridge Is Falling Down)も聴く。このときは、Sさんに簡単な踊りをしてもらった。子どもたちは一緒に踊るとことで、身体でも英語を思えていくのだ。
なお、聴衆の学生から、このように英語の歌を聴かせることでどのような効用があるのかという質問が出たが、要は英語のリズムに慣れることだ、と思う。単に英語の発話を聞いていてもよく英語の強弱のリズムは分からないが、歌として聴くと、強弱のリズムの存在が実感できると思う。
私からの付け加えとして、やはり教師はいくつかのレパートリーを持っておくべきだと思う。5つぐらい英語で歌えるような、子どもたちを指導できるようになることが必要であることだ。
なお、発表者はハンドアウトを手書きにしている場合があるが、私はこれはパソコンで打ち出すべきだと思う。印刷された文字は見やすいこととは別に、パソコンだとデータを蓄えることができるからだ。将来、教師になったとき、あるいは別の発表をするとき、自分で加筆できるなど、データとして残しておけば、再利用に非常に便利だからだ。
最後はTさんによる英語の発音だ。「小学生にどのように発音を教えるか」というタイトルのハンドアウトを配った。Tさんは音声学の概論の説明をした。これらをすべて子どもたちに教えるわけにはいかない。とうぜん、どの部分を子どもたちに教えるのかという点が問題だ。これは私自身としては、(1)日本語は高低アクセントであり、英語は強弱アクセントであること、(2)母音と子音は何か、どう異なるのか、(3)イントネーションぐらい教えればいいかと思う。
なお、聴衆の学生から、日本人の先生の発音がよくない場合はどうしたらいいのかという質問に対して、Tさんは、その時はCDを聴かせたり、ALTの先生にお願いするという答えがでてきた。実は、昨今の電子機器の発達で、小学生でもYouTube を利用できる。それで、小学生が関心を持った歌や話題をYouTube経由で追いかけたりすれば面白いのではと思う。
なお、Tさんは、母音から教えた方が小学生にはいいと述べていたが、私個人は子音から教えた方がいいのではと思う。母音は舌の位置などの微妙な違いで音が異なるが、英語は日本語よりも複雑で、難しい。子音ならば、唇、歯、舌の位置の違いで分かりやすいので、説明しやすいと思う。なお、これは英語の発音のテキストでも、母音からとする本、子音からとする本などと両者があるようだ。