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「アルファベットはどのように指導して教えたらいいのか説明しなさい」という課題を与えた。毎年、英語科教育法では試験を課しているが、今年はコロナの影響があり、オンラインでの提出となった。教室での答案作成は時間が限られているが、自宅でのオンライン経由での答案提出はたっぷりと時間がかけられる。そのせいもあり、今年は例年と比べて答案の質が高いように感じた。そんなことで、すぐれた答案だと思われるものを紹介したい。若干、文は変更してある。

このブログを見ている人の多くは1年生だと思うので、先輩の書いた答案を参考にして来年度の試験は頑張って欲しい。


アルファベットを指導していく上で大切なことの一つとしてアルファベットを読むことが挙げられますが、以下の三つの段階で次のような誤りが起こります。

① 目から入る情報を処理する段階…MとW、bとd、pとqの混同。またはJを平仮名からの影響で「し」のように書くという誤り。
② 耳から入る情報を処理する段階…L、M、Nの聞き分けが難しいこと。またはGとZ、BとVの違いが分かりにくいこと。
③ 目からの情報と耳からの情報を誤って同一のものとして処理していまうこと。たとえば、Mを/el/と発音したり、Nを/em/と発音するように L、M、Nを混同してしまうこと。

特に③の視覚情報と聴覚情報を正確に統合することが大切です。従ってアルファベットを読むことはローマ字を読むこととは違い、文字とその名称を一致させ、しっかりと理解をすることが大切です。また、大文字と小文字は子供たちにとって見極めが非常に難しいものであるということを念頭に置き、学習の際は十分に時間をかけて指導していく必要があります。ですが、ただ時間をかけてアルファベットの形式的な指導を重ねていくだけでは子ども達の「学びたい」という学習意欲をそぎ落としかねません。

従って、子ども達の自主的に学びたいという気持ちを引き出すためには、学びと同時に楽しさが求められます。そこで私は、学習の際には英語を使ったゲームを組み込むことが効果的だとと考えます。例えば大文字と小文字を学ばせるための方法として、カードを用いた授業方法が挙げられます。アルファベットの大文字と小文字が書かれたカードを裏返して並べ、子ども達は順番にカードを二枚ずつめくっていきます。「A」と「a」、「B」と「b」というように、ゲームの「神経衰弱」の要領で同じアルファベットの大文字と小文字を脳内で結びつけながらゲームを進めていきます。また、この活動を行う際、「同じアルファベットの大文字と小文字カードが揃ったら獲得可能」、というのではなく、「同じカードが揃った上でそのアルファベットを正しく読むことができたら、カードを獲得することができる」というルールにすれば、視覚情報と聴覚情報を一致させる、という過程も踏まえて学習することができます。このように、ゲーム性を含んだ授業を展開していくことで、楽しみながらアルファベットの文字に対する認知能力を高めることができるのです。

学習の際、子ども達が意欲的に学びに取り組むことができるかどうかによってその言語習得度は変わっていきます。もっと学びたい、分かるようになりたいという興味や関心を引き出し、今後の学びにつなげることがアルファベット指導で重要なことなのではないかと考えました。

blickpixel / Pixabay
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