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英語教育法の授業では、学生に順番に各教授法を紹介してもらっている。そして、試験では、「紹介された教授法の中から自分が興味をひいた教授法を素描すること」を課している。今回の印象では、Story-based Approach (物語を中心とした教授法)がかなり人気があったようで、多くの学生がこの教授法を素描してくれた。その理由を考えると、機械的な教授法は好まれない、ということのようだ。語句を憶えさせる、訳させる、ディクテーションなどの作業を単調と感じてしまうようだ。物語ならば、人間(動物が多いのだが)の営みが語られて面白いと感じるのかもしれない。
以下、何人かの答案を紹介してゆく。種本が同じなので、各人の紹介はだいたい似ている。ただ、簡単な紹介だけのもの、細かく語っているもの、自分の考えも入れているもの、箇条書きのもの、様々が答え方があることが分かるだろう。1年生の人は、これらの答案を読んで自分はどのような形で答案を作成したらいいのかヒントをつかんでほしい。
私は、Story-based Approach(物語を中心とした教授法)に関心を持ちました。
「物語」は「意味のある文脈」の中で言語を教えるという観点からすると優れた教材であると思います。「言葉が育つ豊かな土壌」を与え、子どもたちの言葉を成長させます。また、物語の中でも昔話は言語教育において優れています。特徴としては、以下の3つの点です。
(1)パターンの繰り返しが聞き手にある種の安心感や心地よさを与えてくれると共に、ストーリに集中し、自然に豊かな言語を聞き取る環境を与えてくれる「繰り返しとコントラスト」が多いことです。
(2)教科書には出てこない豊富な語彙が使われていて「豊かな言葉」があることです。
(3)比喩や隠喩が多く使われている昔話には、高い文学性が認められ、それぞれの国の文化性も色濃く出てくる「文学性と文化性」があることです。
Story-based Approachのメリットとしては、英語がツールとして教室にで使われる為、子どもは自然に「生きた文脈」の中で英語に接することができ、英語力を伸ばすことができる点が挙げられます。デメリットとして適切な活動を考えることが難しく、準備に多くの時間とケアが必要であること、教師に高い運営能力と英語能力が要求されること、が挙げられます。
Story based approachとは物語を中心にした教授法です。昔話を主要教材として教育されることが教育界では多いのです。昔話といった物語を教材とすることで意味のある文脈のなかで言語を教えるという観点から非常に優れています。そして子どもに言葉が育つ豊かな土壌を与え子どもたちの言葉を成長させることができます。Story based approachの特徴は三つあります。
(1)一つ目は繰り返しとコントラストです。「三匹のコブタ」のような昔話にはパターンがあります。この話ならオオカミに家を壊されるというパターンがあります。このようにパターンのくり返しが聞き手にある種の安心感や心地よさを与えるとともにストーリーに集中し自然豊かな言語を聞き取る環境を与えます。また登場人物や出来事が対照的に配置されていたり出来事が繰り返されたりすることで幼い子どもでもストーリーをそのまま丸ごと全体で理解することができます。
(2)二つ目は豊かな言葉が多いことです。聞き手や読み手を楽しませるために、昔話にはたくさんの擬態語、擬声語、音遊びなどが含まれています。また教科書などには出てこない豊富な語彙が使われています。
(3)三つ目は文学性と文化性です。比喩や隠喩が多く使われている昔話には高い文学性が認められ、またそれぞれの国の文化性も色濃く出ています。特に第二言語教育の場合、子どもが全て言語の意味を理解できなくても文脈を頼りに意味を理解していく経験ができます。
しかしこのような特徴がある中でデメリットが4つあります。(1)一つ目は適切な活動を考えることが難しいこと。(2)二つ目は準備に多くの時間とケアが必要であること。(3)三つ目は活動に必要な時間配分がしづらいこと。(4)4つ目は教師に高い教室運営能力と英語能力が要求されることです。このデメリットが解消されればStory based approachとても良い教授法だと思いました。
学生が発表した教授法の中で一番興味を持った事項は、story based Approach (物語を中心とした教授法)です。
理由は、三つあります。
(1)一つ目は、昔話を主要教材とした英語教育で、特徴は繰り返しとコントラストで、パターンの繰り返しが聞き手にある程度の安心感など与えるとともに、ストーリーに集中し自然に豊かな言語を聞き取る環境を与えてくれ、登場人物や出来事が対象的に設定されたり、出来事が繰り返されたりすることで、幼いこどもでもそのまま丸ごと理解することができることがいいと思いました。
(2)二つ目は、昔話たくさんの擬音語、擬声語、音遊びなどが含まれていて、教科書に載っていない豊富な語彙が使われていてたくさんの言葉をストーリーを通して学ぶ、身につけることができると思ったからです
(3)三つ目は、身近にある昔話を授業で使うことで、子どもたちが親しみをもって学べるし、物語は内容が入ってきやすいと思うので物語を用いて英語を教えたいと思います。
このようなことから、私は物語を中心とした教授法に興味を持ちました。
私が一番関心を持った事項は、「物語を中心とした教授法」である。「物語」は、意味のある文脈の中で言語を教えるという観点からすると非常に優れた教材で、子どもに言葉が育つ豊かな土壌を与え、子どもの言葉を成長させる。
「昔話」を主要教材とした英語教育の特徴を述べる前に、「昔話」の定義をする。「昔話」とは、特定の筆者が執筆したものではなく、民衆の間で語り伝えられてきた物語で歴史的事実ではありえない。伝説、神話と比べると昔話はもっと抽象的に語られた素朴な人間や動物たちの物語である。
「昔話」を主要教材とした英語教育の特徴は、3つある。1つ目は、繰り返しとコントラストで「三匹のコブタ」や「ブレーメンの音楽隊」などの話は、あるパターンがありそれが繰り返されることによって聞き手は、ある程度話の内容を予測することができたり、最終的にそのパターンが破られるとき、驚きも経験する。パターンの繰り返しが聞き手にある種の安心感や心地よさを与えるとともに、ストーリーに集中し、自然に豊かな言語を聞き取る環境を与える。また、登場人物や出来事が対照的に設定されていたり、出来事が繰り返されたりすることで、幼い子どもでもストーリーをそのまま丸ごと、全体で理科することができる。
2つ目は、豊かな言葉で聞き手や読み手を楽しませるために、昔話にはたくさんの物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する語である擬態語や、物の音や人、動物の声を表す語である擬声語、音遊びなどが含まれている、また、教科書などには出てこない豊富な語彙が使われている。
3つ目は、文学性と文化性である。「赤ずきん」を例にすると、森は安全な家の向こうにある世界で、材力は安全性と純潔に対する脅威を象徴したもので、ストーリーを開くうちに無意識のうちに現実世界を描くことができ、またストーリーが現実世界での生き方を導いてくれることもある。また、比喩や隠喩が多く使われている昔話には高い文学性が認められ、それぞれの国の文化性も色濃く出ている。この教授法が可能となる条件として、話の内容が日本語で理解していることや十分な視覚教材などが準備されていることである。
授業計画の作り方として、最初にストーリーテリングをする。子どもの年齢、興味、英語習熟度に合わせて昔話、または文学作品を選択する。子どもが英語で話を聞いても不安にならないように、子どもたちがすでに知っている話を選び、適当な視覚教材を用意する。この活動の第一目的は子どもが豊かな英語に接し、大量の英語を聞くことに慣れていくことであり、1つ1つの単語や文法を理解することではない。子どもが全体的に話の内容を理解できたと思えばいいのだ。クラッシェンのインプット仮説に基づき、子どものレベルより少し高めのインプットになるように工夫し、子どもたちのリスニング能力を高める。話の内容によっては1回だけではなく、数回行うことも可能である、
次にジョイント・ストーリーテリングをする。意識的な言語教育を行う活動で、教師は子どもが発話できるレベルに書き直したシナリオを準備し、毎回の授業で少しずつ練習を重ね、最終的には子どもが教師との掛け合いも含め、ストーリーテリングができるまでその定着を図る。従って、子どもがおおよその意味を理解し、また発話できるようなレベルまで英語を調節しなければならないが、シナリオを作成する時には次のことに留意する。
学習目標である言語材料を選択し、それらをシナリオの中に入れたり、原作で使われている音遊びや原作ならではのセリフは少し難しくても使用したり、子どものレベルに合わせて英語を簡素化するが子どもたちが覚えやすいようにチャンツ風のセリフや替え歌を用意したり、シナリオはダイアローグを中心とし、ナレーションの部分をバランスよく入れていき、ナレーションの部分は教師が担当してもよいという4つ留意点に気を付ける。
最後に関連活動を行う。関連活動は、選んだストーリーにどのような社会的要素、芸術的要素、音楽的要素、家庭科的要素、理科的要素、数学的要素等を取り入れることができるのかを考え、具体的に教室で行うを作成をする。その際、導入する言語材料を十分に吟味し、活動を通して教えるべき言語と活動内容のバランスを取る。活動例として、病気のおばあさんのために食べ物を買って持っていくという設定にして、買い物をするときに使う表現などを考える活動や、オオカミが乱獲された写真などを見せながらオオカミについて考える活動などがある。
最後にこの教授法のメリットは英語がツールとして教室内で使われるので、子どもは自然に生きた文脈の中で英語に接することができることだ。逆にデメリットは、適切な活動を考えることが難しいかったり準備に多くの時間とケアが必要であったり、活動に必要な時間配分がしづらかったり教師に高い教室運営能力と英語能力が要求されるということがある。
物語を中心とした教授法 Story-based Approach について箇条書きで述べる。
「物語」=意味のある文脈の中で言語を教えるという観点からすると非常に優れた教材。
子どもに言葉が育つ豊かな土壌を与え彼らの言葉を成長させる。
「昔話」を主要教材とした英語教育の定義
→・特定の筆者が執筆したものではなく、民衆の間で語り伝えられた物語
・歴史的事実ではあり得ないような物語
・伝説、神話と比べると昔話はもっと抽象的に語られた、素朴な人間や動物たちの物語
特徴
① 繰り返しとコントラスト
パターンのクリか返が利き手にある種の安心感や心地よさを与えるとともにストーリーに集中し自然に豊かな言語を聞き取る環境を与えてくれる。
登場人物や出来事が繰り返されたりすることで幼い子供でもストーリーをそのまま丸ごと全体で理解することができる。
② 豊かな言葉
聞き手や読み手を楽しませるために昔話にはたくさんの擬態語、擬声語、音遊びなどが含まれている。また、教科書などには出てこない豊富な語彙が使われている。
擬態語・・・物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現する語
擬声語・・・物の音や人、動物などを表す語
③ 文学性と文化性
比喩や隠喩が多く使われている昔話には高い文学性が認められ、また、それぞれの国の文化性も色濃く出ている
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<特に第二言語教育の場合>
子どもが全ての言語の意味を理解できなくても文脈を頼りに意味を理解していく経験ができる
条件として・・・
・話の内容を日本語で理解していること
・十分な視覚教材などが準備されていること
↓
英語で昔話を聞いているのに話の内容を理解
授業計画の作り方
1. ストーリーテリング
子どもの年齢、興味、英語習熟度に合わせて、昔話、または文学作品を選択する。既に知っている話を選び、適当な視覚教材を用意。この活動の第一目的は、子どもが豊かな英語に接し、大量の英語を聞くことに慣れていくこと。一つ一つの単語や文法を理解することではない。子どもが全体的に話の内容を理解できたと思えばOK!
2. ジョイント・ストーリーテリング
意識的な言語教育を行う活動。最終的に、子どもが教師とのかけ合いも含めストーリーテリングができるまでの定着を図る。シナリオを作成するときには下記のような点に留意する。
・学習目標である言語材料で(表現、語彙、言語機能など)を選択し、それらをシナリオの中に入れる、
・原作で使われている音遊びや原作ならではのセリフは少し難しくても使用する。
・子どものレベルに合わせて英語を簡素化するが、彼らが覚えやすいようにチャンツ風のセリフや替え歌を用意する。
※チャンツ風・・・一定のリズムに英単語や英文を載せて発音する指導
・シナリオはダイアローグを中心とし、ナレーションの部分をバランスよく入れていく。ナレーション部分は教師が担当してもよい。
メリット
・英語がツールとして教室内で使われるので子どもは自然に「生きた文脈」の中で英語に接することができる。
↓
「本物の」英語力伸ばす
デメリット
・適切な活動を考えることが難しい
・準備に多くの時間とケアが必要
・活動に必要な時間配分がしづらい
・教師に高い教室運営能力と英語能力が要求にされる
