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近年は中学校や高校では授業中はオールイングリッシュでおこなうようになってきている。複雑な文法構造の説明ならば、日本語を使わざるを得ないが、それ以外はすべて英語を使うのだ。小学校でも、徐々にその傾向が強まってきている。そんな時代背景を踏まえて、なぜ、Classroom English を使うことが大切か学生に質問したら、いくつかの答案を得た。その中から、二つほどを紹介してみたい。小学校の児童を対象とする授業を想定している。
Classroom English はなぜ大切か説明をしなさい。
① 英語を学習する雰囲気作りに役立つ 英語科の授業を、他の授業(国語、算数など)と同様に、あいさつや指示を全て日本語で行 うと、頭が英語モードに切り替わらない。例えば、授業の冒頭に「How are you?」と大 きな声で発すると、子どもにもスイッチが入り、「さぁ、英語を学ぶぞ!」という姿勢に なると考える。
② 場面に応じたフレーズをすぐ選択し、口にできるようになる Classroom English を使うと、場面と英語が結びついて習得される。例えば、授業の冒 頭に「How are you?」と聞かれて、気分がいい場合、「I’m fine, thank you. And you?」、 気分があまり良くないとき、「Not so good, thank you. And you?」など「この場面では、 このフレーズ」ということを、子ども達は体験的に覚えることができる。そのようにして いくなかで、場面に応じたフレーズをすぐ選択し、反射的に口にできるようになると考え る。
③ 反復練習をたくさんすることができる これは英語ゲームでも言えることだが、英語の授業が始まれば、先生の「How are you?」から、子どもの「I’m fine, thank you. And you?」へと続く。これを英語の 授業があるたび、英語で発音することによって、英語の表現を自然と身に付けることがで きる。
④ 教師自身の英語の上達にも役立つ 小学校では教科担任制ではないため、私みたいな英語が苦手な教師も英語を子ども達に 教えなければならない。そのため、Classroom English は教師自身の英語の上達に繋がる と同時に、子ども達の英語力の向上にもつながる。
(10)Classroom English はなぜ大切なのか
まずClassroom English とは、よく教室で使われる表現を集めたものです。文部科学省が作成した研修ガイドブックには、「クラスルームイングリッシュは、児童のリスニング能力を飛躍的に向上させるというものでなく、外国語活動の雰囲気づくりとしての意味合いが強い」と書かれています。その例として、挨拶では、Good morning.「おはよう」Hello, everyone. 「みんな、こんにちは」などを教室で授業をする前に使います。
英語で授業をするときにに、挨拶の表現のように典型的な表現を覚えることは最初のうちは効果的ですが次第にそれだけでは足りなくなります。子供たちに「生きた文脈」のなかで英語を提供していくためにはclassroom Englishだけでは足りません。英語で授業をするには、英語についての説明、英語での活動、クラス経営、しつけ、フィードバック、授業に関係ない冗談やユーモアなどこれら全て鵜をこなす英語力が必要となり、基本的な英語力を上げるとともに、英語で授業を理解してもらうためには総体的に英語運用力を上げる必要があります。
Classroom Englishを使うことで、楽しく英語をきき話すことができ、英語を使って友達とたくさん関わることができますが、最終的には、かなり複雑なやりとりも英語で行うことができるようになればいいと思います。Classroom Englishとは英語の雰囲気作りとして効果的であり、次のステップへの足がかりという意味合いが強いと思います。