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音読と黙読のメリットとデメリットについて学生に質問してみた。以下、学生の答案を紹介してみたい。
(5)音読と黙読のメリットとデメリットについて述べなさい。
音読のメリットは以下の通りである。
①文字や文字列を分析し単語の意味を取り出すプロセスを表出させ、そのプロセスを自動化することが期待出来る。
②加えて、①によって内容理解に集中しながら行える。
③発音の練習になる。
④英語を話すことに慣れてくる。
などの点がが挙げられると思う。デメリットとしては、以下の点だろう。
①単語や文章の意味に注意を払わない、「空読み」で終わってしまう。
さて、一方の黙読のメリットはつぎのようなことだろう。
①音韻処理を伴わない為、内容に焦点を当てやすい。
②速読の練習になる。
③英語に慣れるまでは自分のペースでじっくり読める。
④自力で英語を読む練習になる。
このようなことが挙げられると思う。デメリットは以下の点だろう。
①教師からすると学習者がどの程度理解しているのか分からない。
②学習者同士や学習者と教師のインタラクションが欠如している。
③リーディング過程において学習者のモニタリングが不可能である。
このようなことが挙げられる。それぞれに良いところ、良くないところがあるので、教師は学習場面や学習の目的に合わせて音読、黙読を選択していく必要がある。また、デメリットを是正するために、音読を行った後に内容を整理したり、黙読を行った後に発音を確認するなどして、補っていくことが重要である。
コメント、いわゆる「空読み」が音読の際の問題になる。声を出しているので、本人も勉強している気になるが、機械的にただ声を出していることがしばしばある。音読ならば、形式に注意が払われがちになり、黙読ならば内容に注意が払われがちになる。この両者の組み合わせが望ましいことは言うまでもない。