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先日、英語塾の先生と話す機会があった。子どもたちに代名詞を選ばせる質問として、次のような問題を出したそうだ。
問い1 カッコの中から適切な単語を選びなさい。
Hanako has a book. (His, Her, Their ) book is very interesting.
私などは、 すぐにHer という代名詞が選ばれるだろうと思うが、これが小学生には難解な問題になるそうだ。つまりHanako = 女性の名前という認識がないそうだ。今、女の子の名前に「~子」と付くのは希だろう。男の名前か女の名前か分からない、よってHis / Her の選択ができないのだ。
私などは、英語の問題を作成するときは、用いる人の名前は、大して深く考えずに、Taro Yamada, Hanako Yamada などとしている。反省して、これからは時代に合わせた名前を見つけていかなければと思う。会話文などを作るときには、日本の女の子の名前としては、Mai, Nozomi, Haruka, Kaori などを使おうと思う。
教室で名前を読むときには、直ぐには読めない名前も増えてきている。男子の名前も読み方が難しくなっているの。
それから、もう一つの問題は、姓名をどのような順番にするかだ。日本ではアルファベットで名前を表記するときは、長いこと、名姓の順番にしてきた。しかし、近年は、日本人の読み方は日本人固有の読み方にすべきとの声が高まってきた。
小学校外国語教材であるWe Can! 1では、Hi, my name is Kazu. (p.9)とあって、姓名の語順という厄介な問題はいったん棚上げにしてfirst name だけで互いに自己紹介している。We Can! 2では、歴史的な人物の紹介で、Thomas Edison とあり日本では Tokugawa Ieyasu (p.5)とある。文科省の指導のように姓名の順番にしている。
中学生になってくるともう少し詳しくなってくる。New Horizon 1 では、Hi, I’m Ando Saki. (p.23)とあり、同じページに日本人の名前の言い方には姓名と名姓があるとの説明があり、この教科書では、姓名の順番を用いると述べている。年配者には長らく馴染んだ名姓という順番が根強く残っている。学会での論文の付け方をみても、両方の表記が見られる。ただ、今後は日本式の姓名という順番になっていくと思われる。