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授業で学習指導要領についてその欠点は何かという質問をしたら、よくある指摘、たとえば全国一律に適応するのは無理ではないか、これだけ多様化の時代に、画一的な教育を課するのは問題だとの回答があった。これはよくある指摘である。
ところで、何人かの学生から「学習指導要領自体が面白くなくて読んでみる気が失せる」という意見が出て面白いと思った。私は、まあ、仕事だから、一応、隅から隅まで読むが、学生は最後まで読む人は少ないのではと思う。ましてや、一般の人で、学習指導要領を興味深く読む人はごく稀だと思う。
公的な文章は、難癖をつける人はいくらでもつけるので、作成者はとにかく無難な文章を心がけるだろう。本当はユーモア溢れて時には笑いがでてくるような文章ならば、たくさんの人が読むだろうが、これはこれで、不謹慎だと、かみつく人が続出だろう。現行の外国語の目標は以下のようである。
第1 目標
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。
目標だが、たとえば、私自身は、「異なる言語体系の視点から自分自身を観察して、自己をより深く知ろうとすること」である。自分では、外国語学習は、他者と交流することよりも、自分自身の観察が主となってきている。しかし、もしも、そんな風に学習指導要領を書いたら、議論続出で大変だろう。やはり、平凡に文章をまとめる、そして平凡で無難であること、クセがないことが、一番強いと思う。
そんな意味で、学習指導要領は面白くてはいけないのだと思う。
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