2015-10-06
人間の周りは記号で囲まれている。しかし、その意味はどうやら2つに分けられるようだ。記号には表面的に表れた明示的な意味(デノエーション)と内示的に示された意味、文化的意味(コノテーション)がある。デノエーションとは辞書にも示されているようなすぐに明確に意味が分かるメッセージであり、コノテーションは、その文化を知らないと読み解けないようなメッセージを含んだな内示的な・文化的・派生的な意味である。
明示的な意味はすぐに分かる。人がある人にチョコレートを渡すのは食べ物を渡すことであり、食べて味わってほしいという意味である。ところが、女性から男性に2月14日にチョコレートを渡すのは、愛情の告白となる文化がある。これは文化的な意味、内示的な意味を知らないと理解できなくなる。アラブの国で女性が男性にチョコレートを渡しても真意は理解してもらえないだろうし、また大正時代にそんなことをしたとしても理解されなかったと思われる。
しかし、問題は文化によってまったく意味が異なる場合がある。例えば、「招く」という行為である。日本人は手のひらを下向きにして指を動かす、しかし西洋人は手のひらを上向きにして指を動かす。招き猫の状況を見てほしい。

西洋の招き猫
手の向きが反対で起こった悲劇とされる。ジラード事件 1957年1月30日、群馬県相馬が原の米軍演習場で、空薬莢拾いに来ていた主婦・坂井なかさん(46歳)が米兵に射殺された。当初は流れ弾に当たったものとされたが、米兵・ウィリアム・S・ジラード(当時21歳)が射殺していたことがわかった。この事件は手の向きの誤解で生じたという報道もある。
ジェスチャーも1つの記号である。日本では親指と人差し指でまるを作るとお金の意味だが、アメリカではOKの意味である。フランスではゼロの意味。その他に日本と外国での異なるジェスチャーとその意味がどのように理解されるか考えてみよう。
(1)自分を指すのは、胸、鼻か
(2)頬を指差すポーズ 可愛らしい仕草
(3)thumbs up, thumbs down
(4)左手の握手は行わない
その他、自分が経験した異文化における異なったサインやジェスチャーを挙げて各自が紹介する。
歴史性があるジェスチャー、握手はもともとは自分の手元には武器を持っていないという意思表示の手段であった。いまでは、親愛の情を示す手段となっている。敬礼はむかしは中世の目の部分の兜を持ち上げて、顔を示す行為から生まれた。