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2016-02-15

語学能力の伸びを図るための尺度としてCEFRのレベルを用いることができる。従来のような数値的なレベルでは、自分のレベルが具体的にどのようなことができるのか明白でない面があった。下のようなCEFRの記述を用いると自分が何ができれば、自分の能力は何々であると定義できるのか明白になる。CEFRのレベルは以下のようである。出典はBritish Council 「ヨーロッパ言語共通参照枠」と「英語力検定試験」 である。


 

C2 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。

C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる。

B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。

B1 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。

A2 ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。

A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。


 

以上のように示されている。学生に対して1年後にはTOEICの数字を100点上げようと目標設定すると、学生の関心はTOEICのスコアを伸ばすこと、試験のテクニックの習得に関心が行く。TOEIC特有の四択の問題をできるだけ早く回答することに関心が向かうことは困ったことである。

それに対して、B2レベルを自分の目標とするならば、学生は自分の専門が経済学とすれば、その専門の論文を読み始めたり、母語話者とリラックスした雰囲気で話したり、ライティングは幅広い範囲について書くことと、ある程度は具体的な目標が定まる。それによって、自分の勉強法がよりわかってくる。

そんな点を考慮して、教員側もシラバスを作りやすくなるであろう。

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