2016-04-14
免許状は非常に重要である。これがないままに教えることは許されない。しかし、私自身は高校の教員をしていたときは、免許状の提出を求められたことがあったかどうかよくは覚えていない。最近の二ユースで次のような記事を見つけた。日本経済新聞の2016年2月23日付けである。
無免許高校教師が32年で7700人指導 山形、任用無効に 2016/2/22 23:23
山形県教育庁は22日、県立高校の保健体育担当の女性教諭(55)が採用から32年間、無免許のまま生徒を指導していたと発表した。女性がこれまで4校で指導した計約7700人については補習の必要はないという。県は採用日にさかのぼって教諭の任用を無効にした。これまでの給与の取り扱いは今後検討する。
県教育庁によると、女性は大学で必要な単位を取得したが、教員免許状を申請する時期に、体調不良のため手続きをしなかった。その後、教員採用試験を経て、1984年4月に教諭として任用された。
新規採用時に教員免許状の写しを学校に提出することになっていたが、教育庁が調べたところ、女性の免許状の写しは保管されていなかった。
教員免許の更新時期把握のため、勤務先の校長が2014年10月から約10回、女性に写しの提出を要求。更新の申請期限の16年1月末に女性が免許状を持っていないことを認めて発覚した。
なぜ、このようなことが起きてしまったのか。大学で必要な手続きをしていなかったそうだが、このあたりの事情はよく分からない。読売新聞の2月23日では給料返還の手続きをするとの報道だ。
県教委は、これまで女性に支払われた給与1億数千万円の返還を求めるか検討するほか、 教育職員免許法違反として告訴するかについても、弁護士と相談するとしている。
県教委は、 改めて県内の教員の免許を調べ、全員の免許を確認したという。今後、 確認状況をデータベース化するなどの再発防止策を検討する。
何十年も勤めてきていて特に問題がなかったということから、本人の実力は教員として十分だったのだろう。ただ、形式的な面、つまり免許の取得を怠ったという点で大騒動になった。
実力は大切だが、その一歩として、形式つまり免許状は必要だ。その一歩を踏み間違えるとたいへんなことになるという教訓だ。