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2016-05-10

高等学校の学習指導要領、外国語のポイントを述べる。

第8節 外 国 語
第1款 目 標
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を養う。

ここでは、「コミュニケーション能力を養う」とある。中学校では、「コミュニケーション能力の基礎を養う」、小学校では、「コミュニケーション能力の素地を養う」とある。これらの語句の相違を細かく詮索するのは意味がないことであろう。ただ、小学校の段階では、言語学習の方法論、心構え、意欲に力を注ぎ、次第にコミュニケーション能力の向上そのものに力点を置くようにする。次に語彙数の目安について述べる。

ア 語,連語及び慣用表現
(ア) 語
a 「4 英語に関する各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を充実すると ともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とす る。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するものとする。」にあっては,中学校で学習した語に400語程度の新語を加えた語
b 「コミュニケーション英語Ⅱ」にあっては,aに示す語に700語程度の新語を加えた語
c 「コミュニケーション英語Ⅲ」にあっては,bに示す語に700語程度の新語を加えた語
d 「コミュニケーション英語基礎」,「英語表現Ⅰ」,「英語表現Ⅱ」及び「英語会話」にあっては,生徒の学習負担を踏まえた適切な語

そこから語数は400+700+700=1800語が高等学校で使われる語数となる。中学校での指導要領では、1,200語を必要としていたので、中高で合計3,000語を必要とする。

2に示す言語材料を用いるに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 現代の標準的な英語によること。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。

アメリカ英語を規範とするが(場合によっては、イギリス英語も含む)、いわゆる World Englishes にも配慮を払う必要があることを述べている。(私見、高校段階での受信・発信のモデルともアメリカ英語でいいが、大学の段階では、受信に関しては さまざまな英語の種類に触れさせる必要がある)

4 英語に関する各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するものとする。

授業をすべて英語で行うことは、この学習指導要領では、「基本とする」という表現である。これは今後は「必ず」というように強制度が高まるであろう。また、従来の英語Ⅰ、英語Ⅱという表現に頭にコミュニケーションをつけて、コミュニケーション英語Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅱのように科目名を変えている。


なお、教科と科目の違いだが、科目は大雑把なくくりである。たとえば「英語」という教科があるが、その細分類として、「英語表現」「英語コミュニケーションⅠ」などの科目がある。

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