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2016-06-01

ダイレクトメソード

英語の教授法はいろいろあるが、一番古典的なものは文法訳読法である。その教授法の反省に立って登場したのが、Direct Method である。 要は音声中心の母語を使わない方法である。1800年代後半にドイツやフランスで提唱された方法であり、たとえば、ベルリッツがはじめたメソッドはダイレクトメソッド(直接教授法)であり、現在でもベルリッツという会話学校が世界中に存在する。

また、フランス人フランソワ・グァン(Gouin)もダイレクトメソッドで有名である。彼はドイツ語の研究をしており、ドイツにも留学をしたが、なかなか上達しなかった。そんなときに、自分の甥の母語習得の過程を観察しているうちに「外国語も幼児が母語を学習する過程によらなければならない」という結論に達した。そこから、彼は、音声を中心に学習すること、音を単独では練習しないこと、句または文として教えること、それらの固まり(句や文)はすべて合理的自然の順序によって連結させること、一連の文を教えた後に、学習者が帰納的に文法の法則を引き出すようにしたこと、また、具体的なものを先にし、抽象的なものは後にしたことが特徴である。

グアンの手法の弱点はphonetics、reading、written exerciseに充分な注意を払わなかったことである。また、具体的なものから始めたのだが、抽象的な事柄にまでもよく活用することは難しかった。また、幼児が母語を覚えるのと違って、年長の生徒たちはすでに十分な母語の言語習慣を持っているため、母語習得の状況を外国語学習の教室において再現することは非現実な面がある。

いずれにしても、これらの Direct Method の根本原則として次の4点が挙げられる。(1)音声の重視、(2)母語の排除、(3)文法は帰納的に学習する、(4)語彙は実物や絵などを用いて教える。

オーラルメソード

Palmer が提唱した口頭練習を重視した教授法である(広い意味でDirect  Method の一種である)。文法訳読法の反省から生まれたのがダイレクトメソードであるが、そこにいくつかの改良を行っている。主たる点は、Palmer では、「母語の使用を一部認めた点」が特徴的である。パーマーは必要であれば日本語で解説すべきだと言っている。日本人にあった教授法であるといわれている。

幼児が「話し言葉を習得する際の5つの習性(The Five Speech-Learning Habits)を注目する。以下の過程を外国語学習に取り入れるべきだと主張した。
1.聴覚的観察 auditory observation
2.口頭模倣 oral imitation
3.発話練習  catenizing
4.意味化 semanticizing
5.類推による文生成 composition by analogy

定型的な文の繰り返しになりやすい。学習者の自発的な発話がなかなか生まれないという特徴がある。

オーラルアプローチ

オーラルアプローチはフリーズ(Charles C. Fries)が提唱した方法である。(なお、メソードとアップローチはどのように異なるか疑問があるかもしれないが、ほぼ同義であると言ってもいいだろう)。構造的アプローチ(structural approach) と呼ばれることもある。

1940年代に盛んになったアメリカ構造言語学の理論を踏まえた教授法である。言語が構造として備えている音韻,語構成,文構成などの一定の型(パターン)に慣れるための文型練習(パターン・プラクティスpattern practice),ミニマル・ペアminimal pair(1点において異なる二つの言語形式の対比)などを中心に訓練する。

なお、パターンプラクティスだが、行動心理学では習慣は刺激に対する反応の繰り返しによって形成されると考えられた。これらの考え方を基礎としてパターン・プラクティスが生まれ、それが強調される。

第2次大戦中に兵士に敵国の言語を短期間で習得させるという点で「Army Method」が有名である。パターンプラクティスが教材に頻出することが特徴である。

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