2016-07-01
文科省はALTとのティーム・ティーチングで担当する教員とALTとの役割分担について、サイト「文部科学省が一般的に考える外国語指導助手(ALT)とのティーム・ティーチングにおけるALTの役割」でいくつか説明を行っている。
学級担任または教科等担当教員(以下「担当教員」という。)とALTとのティーム・ティーチングにおけるALTの役割は以下のとおり。
○ALTは基本的には担当教員の指導のもと、担当教員が行う授業にかかる補助をする。
ALTは担当教員の補助をする、と明記されている。(学校教育法上、授業全体を主導するのは、あくまでも担当教員である)。つまり、授業の責任者はあくまでも担当教員である。往々にして、ALTにすべてを任せてしまう場合がある。しかし、指導計画を立てるのは、担当教員である。ALTは立案や運用面に関しての助言を行うのである。このことが何度も繰り返し確認されているのは、現実はALT任せがしばしば生じるからであろう。
(1)授業前
学校(担当教員)が作成した指導計画・学習指導案に基づき、授業の打ち合わせを行うとともに、教材作成等を補助する。授業の目的、指導内容を理解
指導手順、指導の役割分担、教材等を把握
教材作成やその補助
担当教員が指導計画を立てるのである。そしてその計画をALTに説明しなければならない。説明は英語で行わなければならない。細かいニュアンスは伝わるかどうか。JTE (Japanese Teacher of English) の協力が得られるならば、通訳をお願いすることも可能だ。ただ、担当教員もALTに対して自分の意図を伝えるだけの英語力がほしいし、逆に日本語がある程度分かるALTならば、コミュニケーションはかなり楽になる。
(2)授業中
担当教員の指導のもと、担当教員が行う授業を補助する。(ALTが行う役割の例)
○言語活動における児童生徒に対する指導の補助
活動についての説明、助言、講評
言語モデルの提示
音声、表現、文法等についてのチェックや助言
児童生徒との会話
母国の言語や文化についての情報の提供 等
ALTは英語を聞かせたり、児童が学んだ表現を積極的に使えるように働きかけるのである。まだ、自分の国の文化などを紹介することで、異文化コミュニケーションの役割を果たすのである。
(3)授業後
担当教員と共に、自らの業務に関する評価を行い、改善方法について話し合う。
授業後は英語の母語話者として授業の設計、進め方について評価する。これは、(1)授業前に計画して(2)授業を実行して(3)計画通りに進んだのか、授業はどう評価されるべきか話し合うのである。それによって、(1)→(2)→(3)を繰り返すことで授業の質を高めることが出来る。
