2016-07-13
フォニックスとは、単語にしたときの文字と音との関係性を法則化したものである。それは、英語のスペルと発音の関係を学ぶ学習方法である。AからZの26文字それぞれに、Aは/æ/、Bは/b/、Cは/k/、Dは/d/と発音するルールがあり、例えば、”cat”という単語の場合、それぞれのアルファベットの名前は[siː],[ei],[ tiː]となるが単語の読み方はそのルールに従うと[kæt]となる。
さらには、文字の組み合わせによって表す音が変わる場合もある。例えば、CとHが別々の場合は、[k]、[h]とそれぞれ発音するが、CHが一組となると[tʃ]と発音する。このような規則性を整理したものがフォニックスである。
英語のアルファベットには、アルファベットとしての読み方と普通の読み方があるので指導のときには子どもに注意する必要がある。なお、フォニックスで英語のスペルの8割ぐらいが説明できるそうだ。
1. 短母音: A, E, I, O, U
A [æ] – apple, E [e] – egg, I [i] – ink, O [ɑ] – octopus, U [ʌ] – umbrella
2.1つの文字が1音を表す
Aa [æ]、Bb [b]、Cc [k]、Dd [d]、Ee [e]、Ff [f]、Gg [g]、Hh [h]、Ii [i], Jj [dӡ], Kk [k], Ll [l], Mm [m], Nn [n], Oo [ɑ], Pp [p], Qq [k], Rr [r], Ss [s], Tt [t], Uu [ʌ], Vv [v], Ww [w], Xx[ks], Yy [j], Zz [z]
3.Silent e: eは発音されないが、その前にある母音はアルファベット読みとなる。
game[geim], like [laik], hole [houl], etc.
4. 2文字の音:2つの文字が新しい1音を表す。
sh [ʃ], ch [tʃ], th [Ѳ], wh [w], ect.
5. 2重母音:2つの母音文字が1組となっているとき、1番目をアルファベット読みし、2番目は読まない。
ai [ei], ea [iː], ee [iː], oa [ou], etc. →tail, sea, see, coach
6. 2つまたは3つの文字が各々の音を残しながら混ぜ合わされた音を表す。
br
, cr [kr], dr [dr], fr [fr], gr [gr], pr [pr], tr [tr], wr [wr], bl [bl], cl [kl], fl [fl], gl [gl], pl [pl], sl [sl], scr [skr], str [str], sm [sm], sn [sn], sp [sp], sc [sk], etc.
7. 他の2重母音:
oi [ɔi], oo [u],[uː], ou [au], ow [au], et
8. 母音をコントロールするr
ar [ɑːr], or [ɔːr], er [ər], ir, ur, (er, ir, urは同じ発音となる。)
参照 飯田依子 2011. 「入門記の音声指導とフォニックスの導入」pp.178-196、河原俊昭・中村秩祥子『小学校の英語教育』(明石書店)