2016-07-13
エッセイの構造
エッセイは序論(Introduction)と本論(Body Paragraphs)と結論(Conclusion)の三部から構成されます。
序論では、テーマが何であるかを明らかにします。また序論のトピックセンテンスには、筆者の主張が示されていることが多いのです。いずれにせよ、「序論」は読み始めの箇所なのですから、そこでのアピールする力が足りないと読者はそれ以上読み進むことができません。
ですので、書き手は出だしに、とりわけ力を入れます。次の「本論」では、筆者の主張の根拠や例が示されます。そのために分類したり、対比させたり、時間や空間に沿って記述を進めたりします。分量はこの部分が一番多いのです。「結論」では、全体をまとめています。ですので、もしも時間がないときは、序論と結論にとりあえず目を通すことをお勧めします。
skimmingとscanning
急いでいる時ですが、その目的は急いで全体の内容を掴みたい場合とある特定の事柄だけを知りたい時があります。全体の内容を知りたいときは、タイトルや小見出し、序論や結論部分をskimmingしながら読んでいくことになります。
ある特定の事柄、たとえば、「地球温暖化」について知りたいならば、キーワードとなる語(global warming, air pollution, car exhaustなど)をいくつか見つけて、それらをscanningすることで必要とする知識を得られます。急いでいるときは用途に応じて読み方を選びましょう。
ボトムアップ方式とトップダウン方式
エッセイの読み方には、トップダウン方式とボトムアップ方式があります。ボトムアップ方式は、小さな単位から大きな単位へと進んでいくもので、単語の意味を調べながら、ゆっくりと読み進んでいく方法です。それに対して、トップダウン方式は、全体の構造をまず捉え、そこから各パラグラフの内部を理解していこうとする方法です。
ここでは、できるだけトップダウン方式に慣れ親しんもらいたいと考えています。そのためには、①予備的な読みとして、エッセイ全体にざーつと目を通す、②各パラグラフの最初の文に注目する、③主たる考え(main idea)が何かを発見する、④エッセイがどのジャンルに属するか考える、などの読み方も勧めたいと思います。
トピックセンテンス
パラグラフの中心となる文をトピックセンテンス(topic sentence、主題文)と言います。トピックセンテンスで述べたことをサポートする文が支持文(supporting sentences)と呼ばれていて、通常は、複数の文からなります。
トピックセンテンスがどこにあるかで、パラグラフの構造が異なります。冒頭に出てくるもの、中間に出てくるもの、最後に出てくるもの、と3種類に分けられます。西洋人の書く文は、パラグラフの最初にトピックセンテンスが出てきて、残りはその内容をサポートする文が多いとよく言われます。その場合、主題→理由説明・証拠提示という流れになり、直線的に論理が流れるように感じられます。
マーカーでトピックセンテンスに印をつける
トピックセンテンスはパラグラフの中心となる文です。冒頭に置かれることが多いようですが、パラグラフ中に埋まっていることもあります。読むときに、マーカーで各段落のトピックセンテンスに印をつけて読みましょう。印をつけたトピックセンテンスだけに注目すれば、論文の主旨や論理展開は一目瞭然となります。
ところで、パラグラフ・ライティングとは、パラグラフを意識して書いていく方法ですが、書き手とは共通知識の少ない読み手に、自分の言い分を伝えるためには有効な方法と言えましょう。なぜなら、この手法に沿って書いてある論文は、さまざまな点で論理が浮き出るように工夫がしてあり、論旨がつかみやすいからです。
