2016-07-19
私が中学校のときは、ペンマンシップという副教材を与えられ筆記体の練習をした。その当時は筆記体(Cursive Writing)は必ず習得しなければならないものだった。何回も何回も練習して、さらに、中学生だったので、すぐに上達した。
日本の中学校では、私の中学生の頃は「ブロック体(活字体)」と「筆記体」の両方が教えられてきた。「中学校学習指導要領」では、1962年(昭和37年)4月に文部省が施行した指導要領から、学習すべき言語材料として「アルファベットの活字体及び筆記体の大文字及び小文字」と記されていた。この頃は、中学校で筆記体の書き方を学ぶのは当たり前のこととされていて、自分はある程度は、きれいな筆記体が書けるようになったので、とても嬉しかったことを覚えている。
ところが、2002年(平成14年4月)から完全実施された中学校学習指導要領では「アルファベットの活字体の大文字及び小文字」となり、筆記体は削除された。ただ、「文字指導に当たっては、生徒の学習負担に配慮し筆記体を指導することもできること」という一文が加わった。「基本的にブロック体(活字体)だけでよいが、教員の裁量で筆記体を教えてもよい」という方針である。
私は長らく英語教員を続けているが、当初は黒板には筆記体で書いていた。また、パソコンが普及する以前は試験問題などは筆記体で書いて、印刷していた。そんな状態からパソコンが普及してきたので、徐々に配付資料や試験問題などは活字体で印刷されたプリントを配るようになった。
しかし、黒板は相変わらずに筆記体で書いていた。しかし、学生から黒板のアルファベットが分からないという苦情が来るようになった。また、英語の教員の間でも、黒板の字は活字体で書くようにしようという方針が定まった。それ以降は自分は黒板には活字体で書いている。
さて、筆記体は必要ないようにも感じる。しかし、サインをするときは、必要である。契約書などは、だんだんと海外関係も増えてくるので、少なくとも筆記体でサインは出来るようになっておく必要はあるだろう。また、英語教員を目指す学生は、やはり実際に生徒に教えるかどうかは別として、一通り、筆記体も知っていた方がいいだろう。中学生の英語の導入部分で、生徒の筆記体を書いてやって手本を作り、それを手本にして、何回も練習させること、それは生徒のライティングへの第一歩になると思われる。
一つの方法として、スマホのアプリで Cursive Writing とCursive Words を生徒たちにダウンロードさせる。そして、手で練習をすることが出来る。Cursive Writing は文字の練習であり、Cursive Words は単語の練習である。これらを勧めてみるのも面白いと思う。
なお、筆記体の一覧表はいくつかのサイトで公開されているので利用するといいだろう。
