2016-07-19
学生にレポートを課した。ある動画を二つ見てそれを比較して、A4で一枚以上、感想コメントを書いてくるという宿題だ。気づいた点を下に箇条書きで記す。
(1)段落の使い方が慣れていないレポートがある。段落のはじめは一字右側にずらして、段落の始まりを示すのだが、この点を忘れている学生が数名いた。(なお、このブログを書いているときの私の方針はレポートでの段落の扱い方と異なる。私の方針は段落のはじめは一字下げないで、その代わりに一行空けるという方針だ。ブログでは、一字ずらして段落を続けても、画面が大きいので文字が多くなって見にくくなる。それゆえに、ブログでは段落が変わったことを示すのは、一行開けるのがいい)
(2)段落の長いレポートがあった。最近の人は、長い段落は息切れがしてしまう。One Idea,One Paragraph なので、内容が変化したと感じたらすぐに改行して段落を変えると読みやすくなる。昔の人は読む力があって、長い段落でも平気で読んでいったが、この点は現代人は読む力の衰えがある。そんなことで、現代人のこの傾向に合わせた方がいいだろう。
(3)遠回りの言い方は避けるべきだ。日常会話では相手の気持ちを推し量って婉曲的な言い方が好まれる。ただ、レポートでは単刀直入な言い方でいいのだ。下に例を挙げる。
○小学生には難しいのではないかと感じたが、→小学生には難しいと感じたが、
○英語の理解へとつながっているのではないかと思った。→英語の理解へとつながっていると思った。
ただ、ですます体の時には、このような婉曲的な言い方がぴったりする場合がある。しかし、である体は、意識して回りくどい言い方は避けた方がいい。
(4)プリンターのインクは常に補充しておくべきだ。印字が薄くて見づらいレポートがあった。
(5)A4で半分ぐらいだと量的に論じ足りなくなる。A4で一枚以上と言われたら、一枚半ぐらいがいい。
(6)箇条書きだけのレポートを提出するのはよくない。論考を示すのは、やはり段落と構成する文章で論理の流れを示すのが一番適している。
(7)課題を与えるときに、設問をいくつか示している。その設問通りに答えたほうが答えやすい。まとめて答えた人もいるが、その場合はわかりにくくなる。
これらは形式上の問題だ。教員が評価するときは、学生がどのような意見を持っているかで評価することは少ない。(A)がすぐれていると考える人もいるし、(B)がすぐれていると考える人もいる。ただ、どうして、そのような結論に至ったのかが分かりやすく示されているレポートが望ましい。これには、形式上の問題がかなり係わる。つまり、推論の流れを分かりやすく示してくれるような形式に沿ったレポートが望ましいのだ。