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授業は2種類ある。大人数の講義形式と、少人数の演習形式の授業である。ここでは、演習形式の授業のあるべき姿について語っていきたい。

日本では、演習形式の授業でも教員からの一方通行になりがちである。本来は活発なディスカッションであるべきなのだが、なかなかそこまでは行かない。その理由としていくつか考えられる。

(1)日本社会の特質として、上下関係が演習の授業に投影される。学生は教員の言うことを一生懸命に聴いて理解することが本来のあるべき姿だと考えている。

(2)学生の方に準備不足が目立つ。十分に準備したら疑問点もたくさん出てきて演習の場で疑問を提示するはずだが、それはない。

(3)その点は教員の責任でもある。次の授業では何を勉強するか、完璧なシラバスを用意してどのような授業内容か通知しておく必要があるが、教員の怠慢でそのことが行われない。何をするのか分からなくては、学生も準備のしようがない。

(4)教員に言わせると、一回の授業で行う範囲は実際の授業を行わないと分からないと言う。学生の理解度が遅いとシラバスよりもかなり遅れることになる。

(5)そのためには、一回の授業の範囲を決めておくことで、授業ではその範囲が終わらなくてもそこでお仕舞いにすべきだ。補習という形で終わらなかったことは補うようにすべきだ。正規の授業はあくまでもシラバス通りにすべきだ。

(6)教員は少なくとも一回は実際の授業を行わないと、学生のレベルや選択したテキストの学生の理解度などが分からない。事前に見当をつけてシラバスを書くのであらが、どうしても、その点で不正確になる。

(7)学生が順番にテキストの範囲を発表するのがよい。しかし、それは全員がきちんと予習することが前提である。そのことで、活発なディスカッションが可能となる。

(8)その時は、教員は Facilitator, Moderator などの役目をすると心得ていた方がよい。そしてできたら、その役目も学生に与えるようにしたらいい。しかし、そこまでは難しいかもしれないが、何かの試みはすべきである。

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