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投稿(2016年12月7日)更新(2018年11月4日) 

習得すべき語彙数

第2言語習得を目指す学習者に、どれくらいの言語数を習得させるべきだろうか。

小学校で使用が推奨されていた『英語ノート』では、334語が取り扱われていた。現在の“Hi, friends! 1”には約270語,“Hi, friends! 2”にはおよそ420語,延べ700語近くが取り扱われている。重複を除くと600語近くが使われている。(「小学校英語教科化:より良い指導内容および指導法を考える その1)」山下千里)

中学校の学校指導要領では、1200語程度を習得するようにとの指導である。高等学校の学習指導要領では、「コミュニケーション英語Ⅰ」では400語、「コミュニケーション英語Ⅱ」では400語、「コミュニケーション英語Ⅲ」では700語と記してある。この3つの科目の合計で1500語である。「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」さらに「英語会話」では語彙数は明記してないが、プラスアルファが求められている。

ネイティブが理解している語彙数は、18歳ぐらいまでで2万語を知っている。5歳児の子どもは4000~5000語程度だと言われている。

新学習指導要領の示す語彙数

2017年告示の学習指導要領から、小学3,4年生から外国語活動、小学5,6年生から外国語が教科化された。それにより語数は次のように考えられる。

小学校で600~700語程度を学ぶことになります。中学英語の場合、学ぶ単語は現行の1200語から1600~1800語程度に増えます。これまで中学卒業時までに学ぶ単語数は1200語程度でしたが、今後は2200~2500語程度、つまり現行の倍となるのです。(どう変わる小中学校の英語教育http://www.edu-network.jp/en/br/edu-com/hen/hen-201801.pdf)

この記事によれば、急に増えるわけではないが、それでもかなりの増加が見込まれるのである。

理解している語彙のレベル

ただし、語彙を理解しているとしても、それにはいろいろなレベルがある。大きく分けると受容レベル(聴いて分かる)と発話レベル(自分で発話できる)に二つに分かれる。

その他には、細かく10レベルに分けてあるのもある。1受容的知識 2知識 3概念知識 4音韻知識 5文法知識 6連結語知識 7正字法知識 8語用論的知識 9内包的知識 10メタ言語的知識 (『小学校英語の教育法』アレン玉井光江著、大修館書店 p.206より)

言語教育の目的は発話ができることだが、それには長い受容レベルの期間が必要である。赤ん坊の場合も長い沈黙期を得て、初めて意味ある音声が出てくる。

無理に学習者から発話を引き出そうとせずに、自発的に発話が出てくるのを待つのが自然の方法である。

内容語と機能語

語彙の区分けには内容語と機能語の区分けも重要である。機能語は文法的な機能を持つ語であり、内容語は内容を示す語である。機能語は文法的な機能を示す語であり、比較的早い時期に覚えるものである。

 

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