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コーラスリーディングとは何か?

コーラスリーディングとは、生徒達が教員やCDの音声を聞きながら、後に続いて発音していくことである。これはあまり役に立たないと考える人もいる。なぜ役に立たないか、役に立たせるにはどうしたらいいのか考えてみよう。

コーラスリーディングの種類

生徒は教員の後について発音することもあるが、ネイティブの発音の方を聞かせるべきとの認識が広まり、現在は、ネイティブが吹き込んだCDを聞かせるか、ALT の後に続いて、その発音を真似ながら読んでいくことが一般的である。しかし、日本人教員の発音の方が真似しやすい、その場合は、教員と生徒とのつながりを強く意識させるので、日本人教員がモデルとなることを推奨する学校もある。

コーラスリーディングの効用

コーラスリーディングが、これが役に立つかどうかとなるとかなり注意して行わないと難しい。単に英語の音声を聞くだけでは英語の力がつくものではない。よく巷の英会話の教材の売り込みに、「聞き流すだけで、ある日突然、英語が話せるようになる」というような宣伝文句があるが、これはどうも怪しい。ただ、やみくもに音声を聞くだけでは、なかなか英語力のアップには結びつかない。

ただ、コーラスリーディングの効用が無いわけではない。普段は英語を発話しない生徒がまがりなりしも皆と一緒になって発音することで、発話の機会が与えられる。グループワークは、ペアワークではほとんど発話しない生徒に、何とか発話の機会を与えるという意味では効果がある

リスニングは受動的なスキルか?

英語教育では、リスニングは受動的なスキル(passive skill)と長らく考えられていたが、決して受け身的に何かを取り入れるのではなくて、自分の経験や体験を元に、考えながら聴くのである。話を先回りして、予想したり、自分の考えとの差異はなぜ生じるのかと、いろいろと考えるのである。そのような意味で、受容的スキル(receptive skill)と言われるようになった。つまり、「聞く」のではなくて、「聴く」ことに発想の転換を行うのである。こちらから「~を聴いてやろう」とか「この部分の説明はどうなっているのか」という問題意識を持って聴けるようになればいい。

生徒たちは口を開かないで、静かにして何が述べられているのか集中して聴くのはその意味では効果的である。特に、英文に関して、全文を和訳して内容を分かってから、音声を聞かせると、生徒達は「はるかに分かりやすくなった」とよく言う。内容的な事前準備も大切であるが、語彙や文法に関してある程度の事前準備をしておくとよい。その段階(プレ・リスニング活動)を踏まえることが大切である。その段階を踏まえて、はじめて文の発声に対して関心が出てくる。

コーラスリーディングを効果的にするには

生徒に準備なく、突然聞かせて、「その音の後を追って発音してごらん」では、生徒には効果はあまりない。前もって、個々の単語の意味、文の抑揚、意味上の区切りに注意させることである。難しそうな箇所は事前に指摘しておくことである。たとえば、連結、同化、脱落、ストレスなどを教えておくとよい、さらには、背景説明などをしておく。そのようなリスニング活動をして、はじめてコーラスリーディングが意味を持ってくる。

ただ、突然、コーラスリーディングをすることがまったく無意味だということではない。生徒たちが落ち着かなかった、集中していなかった時に活用することができる。とにかく何か作業させる、何かに集中させるという意味でコーラスリーディングを活用することはありだろう。中学校の場合には、授業の統制をはかるために必要な時もある。

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