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「中学3年生に英語を教えるときに多読と精読をどのように組み合わせて教えるべきか」と言うような設問を出した。学生がどのように解答するか、興味津々であった。中学3年生では多読は無理であるから、精読に集中した方がいい、という解答があるかなとも予期したのだが、そのような解答はなくて、全員が何らかの形で両者を組み合わせた形式の授業法を提案していた。下は解答の一例である。


多読の目的としては、大意や内容を素早く把握して理解する力を付けることである。精読の目的は語句・文法などの正確な理解である。

一般の英語の授業は精読が多くて、私もそのような授業を受けて今、ここにいる。

中学3年生は高校受験を控える大切な時期である。今の日本の受験制度は、受験生は精読をしてきたという前提であり、文法や文法に関する読解を問う問題が多い。試験内容という点から考えても、精読に重心を置かなければならないのは分かるが、私は多読で得られる力をも生徒に付けさせたい。

多読で得られる力とは、英語を楽しむ力である。多読は多量の文を楽しく読む活動であり、そこから生徒は楽しみを見つけていくのである。

そんなことから、私は、普段の受業では、精読を、長期休暇などでは、多読という組み合わせがベストなどではないかと考えた。もし生徒の意識が高く受業に余裕がもてる状態であるならば、SSR (Sustained silent reading)を取り入れることも視野に入ってくる。


多読は楽しくなければならない。多読から乱読へ、英語の本が面白くて仕方がないので、手に入る限りの英語の本を読み散らしたなどという風になれば、しめたものだ。

中学生3年生への多読指導は難しいとも思う。高校生や大学生への多読に関する研究論文は比較的に多いが、中学生以下だと研究論文の数も少ない。この分野はこれから研究されるべき分野であると思う。

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