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最近はどこの学校でも学生による授業評価を取り入れていると思う。学生が教員の教えぶりをみて改善のために教員の評価をしてコメントするというシステムである。
昔はこのような制度はなかった。10年ほど前から取り入れられて、次第に大半の学校で試みられるようになった。
この制度は色々と問題があるのだ。評価の足並みをそろえる難しさがある。まず選択の授業ならば学生は好きで取った授業なので、当然、その授業や担当の教員に対する評価も高い。
しかし、必修の科目ならば、否応なしに授業を受けなければならない。そのような授業では、授業並びに担当の教員に対する学生の評価は低い。
私自身は数的な評価は不要であると思うが、コメント欄は必要と思う。コメント欄に書かれた学生からの指摘はなるほどと思うものもある。そしてそれが改善につながる場合もある。ただ、人間は、silent majority (物言わぬ大多数)ではなくて、vocal minority (声の大きい少数派)の声に強く左右される傾向があるので、その点は気をつけなければと思う。
教員に点数をつけることはどのようにデータが使われるのか。経営者側は、将来は、その数字を教員の契約の更新や昇給に関係させようとするかもしれない。すると、教員は学生に厳しい評価は付けられなくなる。学生側の反発が怖いからだ。授業評価の制度は教育の姿を歪めることになるかもしれない。
しかし、基本的には必要な制度ではある。教員の独りよがりな授業法に反省の機会を与える意味ではよいだろう。ただ、それが昇格や給与に反映となると問題が多いだろう。運用を間違えないようにすべきだ。
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