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本日は二人の先生の授業を参観する機会があった。1つは、幼児教育に関する授業であり、1つは国語教育に関する授業であった。
幼児教育に関する授業では、子どもに楽しさを教えることの必要性を語ってた。それには、体を使う要素を授業に入れるべきだそうだ。手遊び歌遊びなどがいいそうだ。「げんこつやまのたぬきさん、おっぱい飲んでねんねして、だっこしておんぶして、またあした」という歌を歌いながら動作を行うと子どもたちに受ける。(この歌詞を英語に直して、英語で歌いながら、この動作をすると面白いと思う)
次に教えてもらったゲームは、右手を胸に付けて、その時には左手を伸ばす。右手は閉じて、左手は開く。その動作を何回も行う。そして、今度は逆にして下さい、と叫ぶ。子どもたちは、今度は、左手は閉じて、右手は開くようにする。すると混乱して、両方とも閉じたり、開いたままの子がいたりと混乱する。このあたりが面白いので子どもたちに受けるそうである。老人ホームではシニアのぼけ防止のために、このゲームが取り入れられている。
グーパーチョキも手遊びになるそうだ。ただ、片手でじゃんけんぽんをしたのではあまり子どもたちに受けない。両手でじゃんけんぽんをするといいそうだ。ただ、この時に先生が勧めてくれたのは、さらに体をつかうじゃんけんぽんだ。
体全体を使ったグーチョキバーをするといいそうだ。全員が立ち上がり相手と向かい合う。全身を使ったじゃんけんぽんである。グーならば両手を胸の上に置く、パーならば両手を広げる、チョキは両手を斜め上に伸ばす。ただ、この方法だとチョキとバーが区別付かない時があるので、チョキはグリコの宣伝のように、両手を斜め上に伸ばして、同時に片足を持ち上げる。それを何回も行うと、体がくたくたになり、いい運動になるという。
じゃんけんぽんは英語では、Rock, paper, scissors であるので、その言い方を教えて子どもたちに上記のような運動をさせるのも効果的だと考える。 要は幼児教育や小学校の低学年の場合は、運動させること、ゲーム感覚で楽しいという経験をさせることが肝要のようだ。(Rock, paper, scissors では、scissors は複数形だ。右の刃と左の刃の2つでハサミを構成するからだ)
次は先生が替わって、国語教育に関するお話だった。漢字のお遊びで、孟浩然の『春暁』の五言絶句をまず提示した。
春 眠 不 覚 暁
処 処 聞 啼 鳥
夜 来 風 雨 声
花 落 知 多 少
これらの詩は第2句と第4句が韻を踏んでいる(この詩ではたまたま第1句も韻を踏んでいる)。むかし、「韻ふたぎ」という、詩の韻字を隠し、それを言いあてた者を勝ちとする遊びがあったそうだ。たとえば次のような詩である。杜甫の『絶句』である。
江 碧 鳥 逾 白
山 青 花 欲 然
今 春 看 又 過
何 日 是 帰 ( )
押韻の法則から括弧内の語を選ばせる。つまり、「日、年、月、時」から選ばせるのである。すると漢詩の音韻の規則から、妥当なのは、「年」という語であることが分かる。この「韻ふたぎ」という遊戯は平安時代に流行したそうだ。
ところで、英語の詩も韻が踏んであるので、これからヒントを得て、Stevenson の Rain という詩を使った次のような問題を作ることができよう。
THE RAIN is raining all around,
It falls on field and tree,
It rains on the umbrellas here,
And on the ships at ( ).
この括弧内を入れさせる語を次の中から選ばせる。たとえば、[river, pond, ocean, sea, lake]から選ぶとなると、韻を踏んであるのはsea ということになる。そんな風な問題を作ると、中学生以上の子どもたちには喜ばれるのではないか。