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メタ認知とは

人間にはいろいろな認知スタイルがある。またいろいろな性格がある。自分の持つこれらの認知スタイルや性格(情緒的な特質)を正確に知ることは大切である。自分自身のこれらの特質(知覚、情動、記憶、思考など)を客観的に捉え(モニタリングして)、そして評価した上で制御(コントロール)することが大切である。このように自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握してコントロールできる能力がメタ認知である。

自分のメタ認知の行動を知れば、どうなるか

自分のメタ認知の行動を正しく知れば、学習や問題解決場面で、いつどのような方略を用いるかといった判断ができる。教育とはこのような学習者のメタ認知能力の育成することである。つまり、自分の能力と作業の難易度を照合し今後の行動に関して適切な判断を下すこと、行動目標に対して適切な課題を設定すること、状況に応じて適切な方略または道具を選ぶこと、ができるようになることである。

教員の役割は何か、自律的な学習者を育てる

学習場面においては、学習者に身につけさせるスキルとは、学習課題にアプローチするために適切な計画を立てること、自分の認知活動に関する理解を深め、課題遂行状況を自己評価して、課題遂行に関する動機づけを高めていくことが、メタ認知的な特徴を持つスキルである。メタ認知は学習の成功を左右するため、学習場面では学生と教員の両者がメタ認知的スキルを身につけることが重要である。

広範なメタ認知的スキルを発揮することで、試験や仕事における成績や効率が格段にあがる。そうした自律的な学習者は、適切な「道具」を用いて学習の方略とスキルを修正し、学習の効率を高めることができる。さらにメタ認知に優れれば、学習の障壁を事前に察知し対処したり、学習の方略とスキルを変更したりすることで目標を達成することができる。

なお、自律autonomyと自立independenceとは異なるとする説もある。自律とは自分で目標を立て、その目標を達成するために教材を選び、学習計画を立てて、途中で進み具合を確認して、目標を達成しようとする継続的な努力ができる能力を指す。自立は、一つ一つの段階において、上記のことができることを指すとの説だ。しかし、学生諸君はこの定義については深入りしない方がいいだろう。

英語学習において

英語の学習においては、まず(1)メタ認知とは何かを知ることだ。次は、(2)自分の認知スタイルを知ること、つまり、自分は場依存型、衝動的だ、機械的な暗記に強いなどを知ることだ。(3)そして、そのような自分自身の特質を知って、それにあった学習法を生み出すことだ。

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