○
私のゼミ生のSさんが出身の中学校で教育実習を行っている。今日の朝は研究授業の日である。さっそく参加してきた。その概要を伝えたいと思う。
中学校は中部圏にある学校である。Sさんは、2年生のクラスを担当していた。教科書はNew Horizon である。ロンドン訪問の章であった。A Trip to the U.K. Read and Think I である。
このクラスの生徒は授業に対して非常に積極的であった。私語もなくて、Sさんの授業に集中していた。さらに発音練習も生徒達全員が「大きな声で反応していた。SさんはCDなどを使わないで、肉声でモデルリーディングをしていた。CDだとやや遠い感じがするが、Sさんは肉声を使っていたので、生徒達は親近感から付いて行きやすくなっていた。

Sさんは、初めは英語で挨拶をしていた。今日はいつか、天気はどうかなどである。これはWarm-upの時間である。そして、コーラスリーディングである。
それから、単語の確認である。かなりの時間15分ほど、flash card を用いて、単語を教えていた。tower, meter, builder, come from, ride, beside などの語が書いたカードを見せて、日本語の意味を答えさせていた。表は英語で、裏は日本語の意味が書いてあるflash card である。
小学生ぐらいだと単語はほとんどが普通名詞なので、カードに絵を描くことでflash card が作れる。しかし、中学生になってくると抽象的な名詞や動詞や前置詞が増えてくるので、カードの作り方は工夫が必要になってくる。絵では描けなくなる。そのために、日本語訳を示すという方法が出てくる。そして、カードの意味を早く当てさせるゲームをグループで対抗して行ったり、といろいろ、生徒が飽きないような工夫がされていた。
Sさんの発音だが、どうしても日本人風に高低アクセントで単語を読んでしまう。英語のポイントは強弱アクセントなので、アクセントのある音節はひたすら強く発音した方が英語らしい発音になるだろう。
あとは、Sさんは黒板を三等分して教授する内容がそれに収まるようにしていた。つまり、その時間に示す言語材料は黒板一枚以上は教えないという方針のようだ。教える内容を次から次と提示して、黒板に書いては消してゆくと授業が忙しくなり、生徒も混乱してしまう。
教えるべき内容を厳選して、黒板一枚に収まるようにする。これはいい考えだと思った。ただ、そうすると文字がやはり小さくなるかな。でも、ブロック体で丁寧に書いていったので、教室の後ろの生徒もはっきりと見ることができたようだ。
とにかく、Sさん、ご苦労様でした。再来週は大学に戻ってくるので、また苦労話などを後輩の学生にも伝えてください。