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オーラルメソッドとオーラルアプローチ

英語教授法の教科書を読むと、オーラルメソッド(Oral Method)とオーラルアプローチ(Oral Approach)という二つの方法が紹介されています。この両者は名前が似ていて間違いやすいようです。かつメソッドとアプローチのの違いも理解しづらい点があります。どのように教授法が異なるのか、ここで若干説明を試みてみましょう。

メソッドとアプローチ

まず、メソッドとアプローチの違いを考えてみましょう。一般には、Approach は教授法の理論、Method は具体的な指導法という区分けがされています。しかし、教授法の教科書で紹介されるオーラルメソッドとオーラルアプローチでは、一方の具体的な指導法、一方が教授法の理論という区分けはありません。固有名詞的に使われていると考えていいでしょう。ただ、強いて言えば、オーラルアプローチは行動主義的心理学理論に基づいた教授法ですので、理論に基づくアプローチでであると主張することも可能です。オーラルメソッドはパーマーが日本人向けに実践を通して編み出していった指導法あのでメソッドとも考えられます。

オーラルメソッド

オーラルメソッド(Oral Method)は、日本で生まれた教授法です。イギリスから言語学者・教育者であるパーマー(Palmer)が大正後期から昭和の初めまで日本に滞在して、日本人を対象に開発、研究した教授法です。

その当時の日本では文法訳読法が主に使われていましたが、音声重視で口頭練習を主眼においた教授法です。教科書を使う場合には、ピクチャー・カード等を用って内容理解の補助として用います。

オーラル・イントロダクションを最初に用いることがあります。これは、その日の教材の内容について、教員が英語で説明を行うことです。それによって、学習者は音声に慣れ、直聞直解の訓練を行います。オーラル・イントロダクション直後には、理解を確かめるためQuestion-answer や 穴埋めプリントを使うことがあります。

その後、耳を訓練する練習、発音練習、反復練習、再生練習、置換練習、命令練習、定型会話などがあります。

問題点としては、教員が話す時間が多くて、学習者の話す時間が少ないこと。機械的な暗記、反復が多くて学習者は直ぐに飽きてしまうこと。定型会話が中心となり、学習者の創造的な発話が少ないなどの点が挙げられます。

オーラルアプローチ

オーラルアプローチは1940-1950年代にかけて、世界中の外国語教授法に影響を与えました。Charles C. Fires やLado の提唱した教授法です。ミシガン大学では、戦争中に外国語を使える人材を育成するために、ASTP (the Army Specialized Training Program)を開発しました。このプログラムは大きな成功を収めたと言われています。戦時中で外国語を短期間にマスターする絶対的な必要性があったので、学習者の動機は非常に高かったのです。このプログラムがオーラルアプローチへとつながります。

行動主義心理学では、言語習得は習慣の形成であり、基本文型の徹底的な反復復習を中心に行うことが大切と考えられていました。その理論に基づいて開発された教授法です。

模倣と暗記(Mimicry and Memorization)、 パターンプラクティス(Pattern Practice)、 転換(conversion)、拡大(expansion)が行われます。さらには、Minimal Pair で発音の紛らわしい項目を二つ並べて訓練する方法です。/i/-/e/, /l/-/r/, /f/-/v/ などがその例に挙げられます。

問題点としては、オーラルメソッドで示されたことと同様のことが挙げられます。言語操作の練習をしてもコミュニケーション能力につながらない点が最大の問題点でしょう。

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