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アルファベットを指導するには、いつから行ったらいいのか色々な説があるだろう。2017年3月公示の学習指導要領では、小学校の3~4年生用には、「聞くこと」「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」と3つに分けて資質・能力を育成するようにと述べてある。「読むこと」「書くこと」については何ら言及はされていない。つまり、読み書きの指導は行わないようだ。
しかし、(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項の① 言語活動に関する事項の(ア) 聞くこと箇所で、「(ウ) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体で書かれた文字と結び付ける活動。」を行うようにと指導されている。すると、アルファベットぐらいは教えるべきなのかとも思う。
本格的な文字指導は、5~6年生から始まるようだ。(5) 書くことの項目で、「ア 大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。」と明記してある。しかし、前述の3~4年生の外国語活動に、「(ウ) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体で書かれた文字と結び付ける活動。」と明記してあるので、いくつかの疑問がでる。
(1)文字指導は行うのか行わないのか。
(2)行うとしたら、アルファベットだけか、単語のレベルまで指導するのか。
(3)読めるだけでいいのか。書けるようにもなっておくべきか。
おそらく実際の授業の時には、やはりある程度はアルファベットの指導は行うだろう。多分読み方だけの指導ではないのか。
ここで厄介なことが起こってくる。小学校の3年生になると国語の時間にローマ字の指導が始まる。2 内 容〔知識及び技能〕の項目で、「また,第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと。」と明記されている。外国語活動では、アルファベットをある程度教えるだろうから、この場合には、競合するのではないか。国語の時間のローマ字は訓令式であるから、外国語活動での単語はヘボン式に近いスペルであろう。小学生は混乱するのではないか。