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新しい学習指導要領(案)

あたらしい学習指導要領の案が文科省のホームページに掲載されている。まず、目次だが、以下のようになっている。

新しい学習指導要領(案)

これは、外国語については以下のようになっている。各教科の中に第10章に「外国語」がある。しかし、同時に第4章に「外国語活動」がある。「外国語」は教科として小学5~6年生が学習するものである。「外国語活動」は小学校3~4年生が活動するのである。つまり、学習指導要領では、外国語に関して、記述が二つ必要となるのである。この点はやや複雑と感じるが、頭を整理整頓しながら読んでいく必要がある。

第2章 第10章 外国語

第10節 外 国 語

第1 目 標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語によ
る聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケー
ションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 外国語の音声や文字,語彙,表現,文構造,言語の働きなどについて,日
本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこ
と,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによ
る実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付ける
ようにする。

(2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な
事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ
外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら
書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力
を養う。

(3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体
的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

第2 各言語の目標及び内容等
英 語

1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,読むこと,話すこと[や
り取り],話すこと[発表],書くことの五つの領域別に設定する目標の実現
を目指した指導を通して,第1の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育
成するとともに,その過程を通して,第1の(3)に示す資質・能力を育成す
る。

(1) 聞くこと
ア ゆっくりはっきりと話されれば,自分のことや身近で簡単な事柄につ
いて,簡単な語句や基本的な表現を聞き取ることができるようにする。
イ ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄
について,具体的な情報を聞き取ることができるようにする。
ウ ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄
について,短い話の概要を捉えることができるようにする。

(2) 読むこと
ア 活字体で書かれた文字を識別し,その読み方を発音することができる
ようにする。
イ 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かる
ようにする。

(3) 話すこと[やり取り]
ア 基本的な表現を用いて指示,依頼をしたり,それらに応じたりするこ
とができるようにする。
イ 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちな
どを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うことができるように
する。
ウ 自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語
句や基本的な表現を用いてその場で質問をしたり質問に答えたりして,
伝え合うことができるようにする。

(4) 話すこと[発表]
ア 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な
表現を用いて話すことができるようにする。
イ 自分のことについて,伝えようとする内容を整理した上で,簡単な語
句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
ウ 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で,自
分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて話すこと
ができるようにする。

(5) 書くこと
ア 大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。また,語順
を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を
書き写すことができるようにする。
イ 自分のことや身近で簡単な事柄について,例文を参考に,音声で十分
に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いて書くことができるよ
うにする。

2 内 容
〔第5学年及び第6学年〕
〔知識及び技能〕
(1) 英語の特徴やきまりに関する事項
実際に英語を用いた言語活動を通して,次に示す言語材料のうち,1に
示す五つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解する
とともに,言語材料と言語活動とを効果的に関連付け,実際のコミュニケ
ーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導す
る。

ア 音声
次に示す事項のうち基本的な語や句,文について取り扱うこと。
(ア) 現代の標準的な発音
(イ) 語と語の連結による音の変化
(ウ) 語や句,文における基本的な強勢
(エ) 文における基本的なイントネーション
(オ) 文における基本的な区切り

イ 文字及び符号
(ア) 活字体の大文字,小文字
(イ) 終止符や疑問符,コンマなどの基本的な符号

ウ 語,連語及び慣用表現
(ア) 1に示す五つの領域別の目標を達成するために必要となる,第3学
年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に取り扱った
語を含む600~700語程度の語
(イ) 連語のうち,get up,look atなどの活用頻度の高い基本的なもの
(ウ) 慣用表現のうち,excuse me,I see,I’m sorry,thank you,you’
re welcomeなどの活用頻度の高い基本的なもの

エ 文及び文構造
次に示す事項について,日本語と英語の語順の違い等に気付かせると
ともに,基本的な表現として,意味のある文脈でのコミュニケーション
の中で繰り返し触れることを通して活用すること。

(ア) 文
a 単文
b 肯定,否定の平叙文
c 肯定,否定の命令文
d 疑問文のうち,be動詞で始まるものや助動詞(can,doなど)で
始まるもの,疑問詞(who,what,when,where,why,how)で始ま
るもの
e 代名詞のうち,I,you,he,sheなどの基本的なものを含むもの
f 動名詞や過去形のうち,活用頻度の高い基本的なものを含むもの

(イ) 文構造
a [主語+動詞]
b [主語+動詞+補語]のうち,
名詞
主語+be動詞+ 代名詞
形容詞
c [主語+動詞+目的語]のうち,
名詞
主語+動詞+
代名詞
〔思考力,判断力,表現力等〕
(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合った
りすることに関する事項
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況
などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現する
ことを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で,簡
単な語句や基本的な表現を用いて,自分の考えや気持ちなどを伝え合う
こと。

イ 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や
基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりす
ること。

(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のよう
な言語活動を通して指導する。

ア 聞くこと
(ア) 自分のことや学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語
句や基本的な表現を聞いて,それらを表すイラストや写真などと結び
付ける活動。
(イ) 日付や時刻,値段などを表す表現など,日常生活に関する身近で簡
単な事柄について,具体的な情報を聞き取る活動。
(ウ) 友達や家族,学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語
句や基本的な表現で話される短い会話や説明を,イラストや写真など
を参考にしながら聞いて,必要な情報を得る活動。

イ 読むこと
(ア) 活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその文字が大文
字であるか小文字であるかを識別する活動。
(イ) 活字体で書かれた文字を見て,その読み方を適切に発音する活動。
(ウ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示やパンフレッ
トなどから,自分が必要とする情報を得る活動。
(エ) 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を,絵本など
の中から識別する活動。

ウ 話すこと[やり取り]
(ア) 初対面の人や知り合いと挨拶を交わしたり,相手に指示や依頼をし
て,それらに応じたり断ったりする活動。
(イ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ち
などを伝えたり,簡単な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活
動。
(ウ) 自分に関する簡単な質問に対してその場で答えたり,相手に関する
簡単な質問をその場でしたりして,短い会話をする活動。

エ 話すこと[発表]
(ア) 時刻や日時,場所など,日常生活に関する身近で簡単な事柄を話す
活動。
(イ) 簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の趣味や得意なことなど
を含めた自己紹介をする活動。
(ウ) 簡単な語句や基本的な表現を用いて,学校生活や地域に関すること
など,身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどを話す活
動。

オ 書くこと
(ア) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体の大文字,小文字を
書く活動。
(イ) 相手に伝えるなどの目的を持って,身近で簡単な事柄について,音
声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句を書き写す活動。
(ウ) 相手に伝えるなどの目的を持って,語と語の区切りに注意して,身
近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ基本的な表現を
書き写す活動。
(エ) 相手に伝えるなどの目的を持って,名前や年齢,趣味,好き嫌いな
ど,自分に関する簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡
単な語句や基本的な表現を用いた例の中から言葉を選んで書く活動。

② 言語の働きに関する事項
言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言
語の働きを取り上げるようにする。

ア 言語の使用場面の例
(ア) 児童の身近な暮らしに関わる場面
・ 家庭での生活 ・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事 など
(イ) 特有の表現がよく使われる場面
・ 挨拶 ・ 自己紹介 ・ 買物
・ 食事 ・ 道案内 ・ 旅行 など

イ 言語の働きの例
(ア) コミュニケーションを円滑にする
・ 挨拶をする ・ 呼び掛ける ・ 相づちを打つ
・ 聞き直す ・ 繰り返す など
(イ) 気持ちを伝える
・ 礼を言う ・ 褒める ・ 謝る など
(ウ) 事実・情報を伝える
・ 説明する ・ 報告する ・ 発表する など
(エ) 考えや意図を伝える
・ 申し出る ・ 意見を言う ・ 賛成する
・ 承諾する ・ 断る など
(オ) 相手の行動を促す
・ 質問する ・ 依頼する ・ 命令する など

3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 指導計画の作成に当たっては,第3学年及び第4学年並びに中学校及び
高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するもの
とする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力
の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るように
すること。その際,具体的な課題等を設定し,児童が外国語によるコミ
ュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーシ
ョンの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,
表現などの知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにお
いて活用できるようにすること。

イ 学年ごとの目標を適切に定め,2学年間を通じて外国語科の目標の実
現を図るようにすること。

ウ 実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動
を行う際は,2の(1)に示す言語材料について理解したり練習したりす
るための指導を必要に応じて行うこと。また,第3学年及び第4学年に
おいて第4章外国語活動を履修する際に扱った簡単な語句や基本的な表
現などの学習内容を繰り返し指導し定着を図ること。

エ 児童が英語に多く触れることが期待される英語学習の特質を踏まえ,
必要に応じて,特定の事項を取り上げて第1章総則の第2の3の(2)の
ウの(イ)に掲げる指導を行うことにより,指導の効果を高めるよう工夫
すること。このような指導を行う場合には,当該指導のねらいやそれを
関連付けて指導を行う事項との関係を明確にするとともに,単元など内
容や時間のまとまりを見通して,資質・能力が偏りなく育成されるよう
計画的に指導すること。

オ 言語活動で扱う題材は,児童の興味・関心に合ったものとし,国語科
や音楽科,図画工作科など,他の教科等で児童が学習したことを活用し
たり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。

カ 障害のある児童などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さ
に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。

キ 学級担任の教師又は外国語を担当する教師が指導計画を作成し,授業
を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域
人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方法の
工夫を行うこと。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 2の(1)に示す言語材料については,平易なものから難しいものへと
段階的に指導すること。また,児童の発達の段階に応じて,聞いたり読
んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき事項と,話
したり書いたりして表現できるように指導すべき事項とがあることに留
意すること。

イ 音声指導に当たっては,日本語との違いに留意しながら,発音練習な
どを通して2の(1)のアに示す言語材料を指導すること。また,音声と
文字とを関連付けて指導すること。

ウ 文や文構造の指導に当たっては,次の事項に留意すること。
(ア) 児童が日本語と英語との語順等の違いや,関連のある文や文構造の
まとまりを認識できるようにするために,効果的な指導ができるよう
工夫すること。
(イ) 文法の用語や用法の指導に偏ることがないよう配慮して,言語活動
と効果的に関連付けて指導すること。

エ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする
力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態に
ついて適宜工夫すること。その際,他者とコミュニケーションを行うこ
とに課題がある児童については,個々の児童の特性に応じて指導内容や
指導方法を工夫すること。

オ 児童が身に付けるべき資質・能力や児童の実態,教材の内容などに応
じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器な
どを有効活用し,児童の興味・関心をより高め,指導の効率化や言語活
動の更なる充実を図るようにすること。

カ 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,
場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能
力を明確に示すことにより,児童が学習の見通しを立てたり,振り返っ
たりすることができるようにすること。

(3) 教材については,次の事項に留意するものとする。
ア 教材は,聞くこと,読むこと,話すこと[やり取り],話すこと[発
表],書くことなどのコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力
を総合的に育成するため,1に示す五つの領域別の目標と2に示す内容
との関係について,単元など内容や時間のまとまりごとに各教材の中で
明確に示すとともに,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮し
た題材を取り上げること。

イ 英語を使用している人々を中心とする世界の人々や日本人の日常生
活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化,自然などに関するものの
中から,児童の発達の段階や興味・関心に即して適切な題材を変化をも
たせて取り上げるものとし,次の観点に配慮すること。
(ア) 多様な考え方に対する理解を深めさせ,公正な判断力を養い豊かな
心情を育てることに役立つこと。
(イ) 我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心を高め,理解
を深めようとする態度を養うことに役立つこと。
(ウ) 広い視野から国際理解を深め,国際社会と向き合うことが求められ
ている我が国の一員としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神
を養うことに役立つこと。
その他の外国語
その他の外国語については,英語の1に示す五つの領域別の目標,2に示す
内容及び3に示す指導計画の作成と内容の取扱いに準じて指導を行うものとす
る。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。
2 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科など
との関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,
外国語科の特質に応じて適切な指導をすること。

第4章 外国語活動 

第4章 外国語活動
第1 目 標
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語によ
る聞くこと,話すことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る素地とな
る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国
語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ
親しむようにする。

(2) 身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや
気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。

(3) 外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に
配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする
態度を養う。

第2 各言語の目標及び内容等
英 語

1 目 標
英語学習の特質を踏まえ,以下に示す,聞くこと,話すこと[やり取り],
話すこと[発表]の三つの領域別に設定する目標の実現を目指した指導を通
して,第1の(1)及び(2)に示す資質・能力を一体的に育成するとともに,そ
の過程を通して,第1の(3)に示す資質・能力を育成する。

(1) 聞くこと
ア ゆっくりはっきりと話された際に,自分のことや身の回りの物を表す
簡単な語句を聞き取るようにする。
イ ゆっくりはっきりと話された際に,身近で簡単な事柄に関する基本的
な表現の意味が分かるようにする。
ウ 文字の読み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分か
るようにする。

(2) 話すこと[やり取り]
ア 基本的な表現を用いて挨拶,感謝,簡単な指示をしたり,それらに応
じたりするようにする。
イ 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,自分の考え
や気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにす
る。
ウ サポートを受けて,自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄
について,簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答え
たりするようにする。

(3) 話すこと[発表]
ア 身の回りの物について,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や
基本的な表現を用いて話すようにする。

イ 自分のことについて,人前で実物などを見せながら,簡単な語句や基
本的な表現を用いて話すようにする。

ウ 日常生活に関する身近で簡単な事柄について,人前で実物などを見せ
ながら,自分の考えや気持ちなどを,簡単な語句や基本的な表現を用い
て話すようにする。

2 内 容
〔第3学年及び第4学年〕
〔知識及び技能〕

(1) 英語の特徴等に関する事項
実際に英語を用いた言語活動を通して,次の事項を体験的に身に付ける
ことができるよう指導する。

ア 言語を用いて主体的にコミュニケーションを図ることの楽しさや大切
さを知ること。

イ 日本と外国の言語や文化について理解すること。
(ア) 英語の音声やリズムなどに慣れ親しむとともに,日本語との違いを
知り,言葉の面白さや豊かさに気付くこと。
(イ) 日本と外国との生活や習慣,行事などの違いを知り,多様な考え方
があることに気付くこと。
(ウ) 異なる文化をもつ人々との交流などを体験し,文化等に対する理解
を深めること。
〔思考力,判断力,表現力等〕

(2) 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合った
りすることに関する事項
具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況
などに応じて,情報や考えなどを表現することを通して,次の事項を身に
付けることができるよう指導する。

ア 自分のことや身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現
を使って,相手に配慮しながら,伝え合うこと。

イ 身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちなどが伝わるよう,
工夫して質問をしたり質問に答えたりすること。

(3) 言語活動及び言語の働きに関する事項
① 言語活動に関する事項
(2)に示す事項については,(1)に示す事項を活用して,例えば次のよう
な言語活動を通して指導する。

ア 聞くこと
(ア) 身近で簡単な事柄に関する短い話を聞いておおよその内容を分かっ
たりする活動。
(イ) 身近な人や身の回りの物に関する簡単な語句や基本的な表現を聞い
て,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。
(ウ) 文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体で書かれた文字と結
び付ける活動。

イ 話すこと[やり取り]
(ア) 知り合いと簡単な挨拶を交わしたり,感謝や簡単な指示,依頼をし
て,それらに応じたりする活動。
(イ) 自分のことや身の回りの物について,動作を交えながら,好みや要
求などの自分の気持ちや考えなどを伝え合う活動。
(ウ) 自分や相手の好み及び欲しい物などについて,簡単な質問をしたり
質問に答えたりする活動。

ウ 話すこと[発表]
(ア) 身の回りの物の数や形状などについて,人前で実物やイラスト,写
真などを見せながら話す活動。
(イ) 自分の好き嫌いや,欲しい物などについて,人前で実物やイラスト,
写真などを見せながら話す活動。
(ウ) 時刻や曜日,場所など,日常生活に関する身近で簡単な事柄につい
て,人前で実物やイラスト,写真などを見せながら,自分の考えや気
持ちなどを話す活動。

② 言語の働きに関する事項
言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言
語の働きを取り上げるようにする。

ア 言語の使用場面の例
(ア) 児童の身近な暮らしに関わる場面
・ 家庭での生活 ・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事 ・ 子供の遊び など

(イ) 特有の表現がよく使われる場面
・ 挨拶 ・ 自己紹介 ・ 買物
・ 食事 ・ 道案内 など

イ 言語の働きの例
(ア) コミュニケーションを円滑にする
・ 挨拶をする ・ 相づちを打つ など
(イ) 気持ちを伝える
・ 礼を言う ・ 褒める など
(ウ) 事実・情報を伝える
・ 説明する ・ 答える など
(エ) 考えや意図を伝える
・ 申し出る ・ 意見を言う など
(オ) 相手の行動を促す
・ 質問する ・ 依頼する ・ 命令する など

3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 指導計画の作成に当たっては,第5学年及び第6学年並びに中学校及び
高等学校における指導との接続に留意しながら,次の事項に配慮するもの
とする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力
の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るように
すること。その際,具体的な課題等を設定し,児童が外国語によるコミ
ュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーシ
ョンの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,
表現などの知識を,三つの領域における実際のコミュニケーションにお
いて活用できるようにすること。

イ 学年ごとの目標を適切に定め,2学年間を通じて外国語活動の目標の
実現を図るようにすること。

ウ 実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合うなどの言語活動を
行う際は,2の(1)に示す事項について理解したり練習したりするため
の指導を必要に応じて行うこと。また,英語を初めて学習することに配
慮し,簡単な語句や基本的な表現を用いながら,友達との関わりを大切
にした体験的な言語活動を行うこと。

エ 言語活動で扱う題材は,児童の興味・関心に合ったものとし,国語科
や音楽科,図画工作科など,他教科等で児童が学習したことを活用した
り,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。

オ 外国語活動を通して,外国語や外国の文化のみならず,国語や我が国
の文化についても併せて理解を深めるようにすること。言語活動で扱う
題材についても,我が国の文化や,英語の背景にある文化に対する関心
を高め,理解を深めようとする態度を養うのに役立つものとすること。

カ 障害のある児童などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さ
に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。

キ 学級担任の教師又は外国語活動を担当する教師が指導計画を作成し,
授業を実施するに当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な
地域人材などの協力を得る等,指導体制の充実を図るとともに,指導方
法の工夫を行うこと。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 英語でのコミュニケーションを体験させる際は,児童の発達の段階を
考慮した表現を用い,児童にとって身近なコミュニケーションの場面を
設定すること。

イ 文字については,児童の学習負担に配慮しつつ,音声によるコミュニ
ケーションを補助するものとして取り扱うこと。

ウ 言葉によらないコミュニケーションの手段もコミュニケーションを支
えるものであることを踏まえ,ジェスチャーなどを取り上げ,その役割
を理解させるようにすること。

エ 身近で簡単な事柄について,友達に質問をしたり質問に答えたりする
力を育成するため,ペア・ワーク,グループ・ワークなどの学習形態に
ついて適宜工夫すること。その際,相手とコミュニケーションを行うこ
とに課題がある児童については,個々の児童の特性に応じて指導内容や
指導方法を工夫すること。

オ 児童が身に付けるべき資質・能力や児童の実態,教材の内容などに応
じて,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワーク,教育機器な
どを有効活用し,児童の興味・関心をより高め,指導の効率化や言語活
動の更なる充実を図るようにすること。

カ 各単元や各時間の指導に当たっては,コミュニケーションを行う目的,
場面,状況などを明確に設定し,言語活動を通して育成すべき資質・能
力を明確に示すことにより,児童が学習の見通しを立てたり,振り返っ
たりすることができるようにすること。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 外国語活動においては,言語やその背景にある文化に対する理解が深まる
よう指導するとともに,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を行う
際は,英語を取り扱うことを原則とすること。

2 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科など
との関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について,
外国語活動の特質に応じて適切な指導をすること。

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